マンションオーナーの空室対策から始まって
当社はマンションオーナー、不動産管理会社などが建築・管理する集合住宅を対象にインターネットサービス「B︱CUBIC」を提供しています。マンションの入居者様がネットを無料でご利用できますから、マンションオーナーからは他の物件との差別化を図ることができるという評価を得ています。足元で全国約9000棟、約20万室にサービスを提供しています。
それ以外にも、お客様のセキュリティ需要に応える形で、マンションの共用部のエントランスをオートロック化するIoTサービス「BRO―LOCK」も手掛けています。オートロック物件にすることで、家賃を上げることができると同時に入居率を高めることができます。
入居者様としても、スマートフォンのアプリを通じて、外出先でもインターフォンで会話できますし、カメラを通じて誰が訪れたかがわかるようになります。解錠もできますから、例えば宅配業者の方々に「置き配」をしておいて欲しいといった依頼もできるという利便性があります。
この2つの事業から派生する形で、空室に悩むオーナー向けに、専有部のIoTリノベーションを手掛ける「BRO―ROOM」を始めました。
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このサービスの特徴は、オーナーは初期費用や借り入れ不要で、当社が費用を立て替える形でリノベーションができるというものです。なぜ、初期費用ゼロが実現できているかというと、業界でも珍しい「債権流動化」というファイナンススキームを活用しているからです。
かつては、マンションオーナーへの営業では、例えば100万円の保守工事の仕事があったとしても、他社が90万円で対抗してくるといった形での価格競争に巻き込まれていました。これを避ける方法はないものかと常々考えてきたのです。この「初期費用ゼロ」のスキームが今、オーナーに非常に好評です。
これまで業界を見ていて、銀行からの融資が出なかったり、出ても全額ではなく手出しが生じるといった形で、ファイナンスによって事業が進まなくなるという事例が多くありました。こうした事態を防ぐことができるのが「初期費用ゼロ」なのです。
このスキームが生まれたのは、お客様であるオーナーからのニーズです。我々は賃貸マンション・アパートをターゲットに、これまで事業を進めてきましたが、その過程でリノベーションや外壁塗装などのご依頼を受けるようになりました。
最初は「できません」とお断りしていましたが、あるマンションオーナーが持つオフィスビルの1フロアのリノベーションを依頼された際、我々の費用でリノベーションし、当社の子会社であるサブリース会社で借り上げてくれないか?と言われたのです。この時、「債権流動化」による初期費用ゼロへの期待が高いことがよくわかったのです。
これまで築いてきた顧客基盤も活用できていますから、マンションインターネットなどを地道に手掛けてきてよかったということを実感しています。
不動産のオーナーが手掛けている事業であれば、基本的に債権流動化を活用することができます。従来我々が手掛けてきたマンションインターネットやインターフォン、リノベーションなどに加え、宅配ボックス、エアコン、LED照明、給水ポンプ、エレベーターなどが初期費用ゼロで導入可能です。
社員には意識変革を求めています。通常、案件を出すのが営業だと思いますが、お客様と対話してニーズを聞き出し、その実現を図るという形で営業スタイルも大きく変わっています。