NTTドコモは11月20日、日本電信電話(NTT)およびエリクソンと進めている6G(第6世代移動通信方式)の実現に向けた実証実験として、実在の都市をデジタルツイン技術を用いて再現し仮想空間上で通信速度などを評価する実証(以下、デジタルトライアル)に成功したことを発表した。デジタルトライアルは6G時代に想定される膨大なデータニーズに対応すべく、最適な通信品質の提供を目指して進められている。
具体的には、6Gの実証実験で使用する実際の基地局の一部を用いて、信号の送信処理と受信処理をリアルタイムに行い、デジタルツインで再現された仮想空間上の都市における基地局と携帯端末間の電波伝搬チャネルをリアルタイムに計算して送信信号から受信信号を生成する。これにより、6Gの実装置と仮想空間を組み合わせた通信性能評価が可能となる。
仮想空間上に建物や道路のデータを用いて都市を再現し、都市内にいる携帯端末を持ったアバターを動かすことで、現実空間で検証することなく、仮想空間上でリアルタイムに無線性能を評価できる。今回の実証では、エリクソンの本社があるスウェーデンの街並みを仮想空間上に再現して通信速度を測定することで、デジタルトライアルにおけるデジタルツイン技術の有効性を確認した。