Microsoftの.NETチームは現地時間11月12日、オンラインで開催される開発者イベント.NET Conf 2024で最新の「.NET 9」の発表を行った。

システムパフォーマンスと「.NET Aspire」、AI関連機能など全面的に機能向上を図る「.NET 9」

「.NET 9」では、クラウドネイティブアプリケーション開発ツール「.NET Aspire」とシステムパフォーマンスの向上に力を入れて開発されており、それ以外にもAI関連機能の強化、「ASP.NET」「Blazor」「.NET MAUI」の強化、進化した「C#」と「F#」など.NET全体にわたる大規模な機能強化が行われている。

「.NET Aspire」ではダッシュボードの機能を強化しリソースの開始と停止がダッシュボード上で可能になった他、デバッグ時でもコンテナーを維持する機能や新しいAPI、AI関連の「OpenAI」「Ollama」やベクトル検索の「Milvus」とのシームレスな統合など新機能の追加と多くの機能改善が行われた。

  • .NET Aspire(同社Webサイトより)

システムパフォーマンス部分においては、Server GC(Garbage Collection:不要メモリ領域の解放機能)の大規模な改修が行われ、メモリやCPUなどの利用可能なリソースではなくアプリケーションのメモリ要件に適応するように改変された他、ランタイムのベクトル化への回帰、PGO(Dynamic Profile Guided Optimization)の更新、C#の統合言語クエリLINQの最適化などにより、大幅なパフォーマンスの向上を実現している。

  • .NET 9 Minimal API Performance(同社Webサイトより)

AI関連では、.NET開発者向けの「GitHub Copilot」でAIスマート変数検査機能、AI搭載のIEnumerableビジュアライザー、「GitHub Copilot」を使用したコード修正、C#のAI補完の改善などが行われている。システム面では、「Microsoft.Extensions.AI」と「Microsoft.Extensions.VectorData」でシステム構造の見直しを行い、抽象化システムを導入しAIサービスへのアクセスをC#で抽象化された統一レイヤーで行えるようになった。また、AI開発のためのトークナイザー(Tokenizers)の改善や高機能の「BPE」「SentencePiece」「WordPiece」などのトークン化アルゴリズムがサポートされた。

  • GitHub Copilotの新機能(公式Webサイト動画より)

上記以外にも「ASP.NET Core」での静的ファイル処理の最適化やセキュリティの強化、「Blazor」での新しいAPIの追加やインタラクティブ サーバーレンダリング技術などにより、フルスタックWeb開発能力も向上している。モバイルアプリなどのマルチプラットフォームアプリを開発する「.NET MAUI」、Windows開発でもそれぞれ新機能の追加や機能改善が行われている。また話題の進化した「C# 13」や関数型プログラミング言語「F# 9」のサポートも行われる。

「.NET 9」は、Webサイトでダウンロードするか、Visual Studio2022、Visual Studio Code用C#開発キットの更新プログラムで利用できる。「.NET 9」の新機能詳細は、WebサイトMicrosoft Ignite内の.NETドキュメントで確認できる。