GMOインターネットグループは11月12日、2024年12月期 第3四半期決算説明会を開催した。説明会では、グループ副社長 兼 CFOの安田昌史氏、グループ執行役員・財務部長の稲垣法子氏が決算概況と今後の展望について語った。

過去最高の売上高を記録

2024年12月期 第3四半期(7~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比11.4%増の696億円、営業利益は前年同期の94億円から24.8%増の118億円となった。売上高は最高業績を記録した。一方、経常利益は為替要因もあり、前年同期比2.5%減の94億円で着地した。

  • 2024年12月期 第3四半期(7~9月)の連結業績結果

    GMOインターネットグループ 2024年12月期 第3四半期(7~9月)の連結業績結果

2024年12月期 第3四半期累計(1~9月)の経常利益は前年同期比7.6%増の346億円に達した。売上高は前年同期比7.0%増の2061億円、営業利益は前年同期比19.1%増の358億円となった。インフラの好調と、金融の一時費用を吸収したことにより、過去最高の売上を達成した。

  • 2024年12月期 第3四半期累計(1~9月)連結業績

    GMOインターネットグループ 2024年12月期 第3四半期累計(1~9月)連結業績

最高業績を記録できた理由について、安田氏は「グループ各社の自立経営の成果が大きく顕在化し、ほぼ全社が増益を牽引した。またインフラは決済事業の好調に加え、決済以外の増益率拡大した」と説明した。

  • GMOインターネットグループ グループ副社長 兼 CFOの安田昌史氏

    GMOインターネットグループ グループ副社長 兼 CFOの安田昌史氏

「インフラ」「広告・メディア」「金融」「暗号資産」という4つの部門ごとに見てみると、安田氏が好調の要因として挙げたインフラ事業においては、売上が前年同期比9.1%増の463億円、営業利益が27.2%増の77億円となった。

広告・メディア事業は高マージンの自社商材・メディアが伸長し、売上が前年同期比6.2%減の80億円、営業利益が29.5%増の6億円。暗号資産事業は交換事業の活況が続き、4四半期連続で黒字計上しており、売上が前年同期比58.4%増の15億円、営業利益は前年同期から7億円プラスの2億円となっている。

一方の金融事業では、FXが市場活況で収益拡大、コスト効率化も寄与し、CFD(差金決済取引)の取引・収益ともに堅調であるものの、タイ証券で貸引22億円を計上し、年内でのサービス終了を決定している。

  • 2024年12月期 第3四半期 セグメント別業績

    2024年12月期 第3四半期 セグメント別業績

持株会社体制へ移行

説明会では、持株会社体制へ移行することが発表された。

「弊社は昨年度のESG開示において、ガバナンス上の重要課題として『100年単位で継続する企業グループ』を掲げました。それを目指し、インターネット産業という、変化の激しい領域において持続的に価値創造していくうえで最適な組織体制を模索してきました。今回の持株会社への移行は、まさにこの体制に向けた強固な経営基盤の構築を目指す第一歩となるものです」(安田氏)

同社は、持株会社へ移行することにより、事業ポートフォリオの最適化・グループシナジー創出の基盤を実現することで「グループ経営機能に特化」していく。加えて、同社の強みでもある自立経営を強化するため、各グループ会社への権限委譲を進め成長スピードを加速させていくという。

現時点では、事業持株会社であるGMOインターネットグループのもと、各社は得意とする領域で自立的に事業展開している。

今後は、グループ内再編として、2025年1月1日よりGMOインターネットグループ単体で運営している事業をGMOアドパートナーズへ承継し、GMOインターネットグループは持株会社とする。これにより、GMOインターネットグループは、純粋持株会社のような立ち位置となり、グループ経営機能への特化を実現していくという。

再編後の新生GMOインターネットに対しては、グループの礎として28年の歴史を築いてきた祖業をさらなる成長に向け承継する。具体的には、「ドメイン事業」「ホスティング事業」「アクセス事業」「広告事業」「メディア事業」という、インフラ事業と広告・メディア事業の両輪で事業を展開する。

  • グループ内再編スキーム

    グループ内再編スキーム

今後、GMOインターネットグループとしては、超長期計画である55ヵ年計画実現に向け、事業ポートフォリオの最適化、グループシナジー創出の基盤を担うことを目指し、新生GMOインターネットグループとしては「既存事業での統合シナジー創出」「新規事業であるGPUクラウドサービスの立ち上げ」の2点を展開していく構え。

  • 新生「GMOインターネット」の事業概要と主要サービス

    新生「GMOインターネット」の事業概要と主要サービス