リコーは11月6日、Edo(エドゥ)とイトーキが5月に立ち上げた「メタバース・AIを活用した学習環境開発プロジェクト」において、Edoとイトーキが開発した対話型AIサービス「ぐりん」にリコーのAIエージェントを提供し、生徒の地域に関する探究学習をAIとの対話によって支援することを発表した。
プロジェクトの背景と目的
国内の人口減少や少子高齢化により、教育をはじめさまざまなコミュニティが急速に縮小している。これに伴って引き起こされる「教育力の低下」が課題とされる。人口減少社会における教育は「学校が担うもの」から「社会全体で担うもの」という意識を高める必要があるとして、メタバース・AIを活用した学習環境開発プロジェクトが発足した。
このプロジェクトでは、学校教育だけではなく他の組織や人が成長を支援し、それぞれが目的を共有し、つながり、補完し合う、その一つの手段として「AI・メタバース」といったデジタル技術を活用して地域の学生に豊かな教育環境を提供するとのことだ。
リコーの提供内容
今回のプロジェクトにおいては、Edoが岐阜県飛騨圏域で運営する中高生向けの探究スクール「Edo New School」で活用されている対話型AIサービス「ぐりん」に、リコーのAIエージェント技術を提供する。
リコーの音声認識AIは、マイクから離れたノイズや残響を含む音声、人同士のくだけた話し言葉も高い精度で認識する独自の技術を搭載しているため、正確性が求められる教育現場での活用に適しているという。
また、OpenAIのGPT-4oをベースにリコーのRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術を組み合せ、生徒からの質問に対してEdo New Schoolが開発した「地域資源カード」を参照して回答する。
地域資源カードを参照しても回答が得られない場合は、Web情報を活用するなど柔軟な対応も可能だという。リコーのAIエージェントは会話の内容をAIが素早く認識し、動的に回答や次の質問を生成して対話できるとのことだ。