国内では直営店を増やす
当社は洗車・自動車コーティングサービスを手掛ける企業です。近年、日本では人口減少や「若者の車離れ」などが言われますが、それを感じるのは東京など一部の大都市圏だけなのではないかと思います。人手不足で公共交通機関の運行本数が減少する中、地域によっては自動車の必要性は高まっているのではないでしょうか。
我々は直営店の「キーパーラボ」と、コーティング技術と一定の施工環境を整備した認定店の「キーパープロショップ」の2軸で運営しています。お陰様で認知度も向上し、CMや動画を見て、コーティングをしたいというお客様が増えました。
「プロショップ」は全国に約6600店舗ありますが、ガソリンスタンドを主業務に展開されているところが多いため、大きくは増えないのではないかと思います。ただ、新車のカーディーラー、中古車販売店がプロショップを運営するようになっていますから、数自体が減ることはないと見ています。
一方で「キーパーラボ」はフランチャイズを含めて135店舗ありますが、こちらは今後、300店舗、500店舗になるように増やす計画です。ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの跡地や、ホームセンター、ショッピングセンター、カーディーラーの敷地内に新規出店していきます。
また、複数の大手自動車メーカーのカーディーラーに、新車購入時のオプションとして、我々のコーティングを採用していただいています。我々の技術力に対する信頼度がさらに向上する話ですが、新車のコーティングにおける当社のシェアは足元で数%程度ですから、まだまだ伸び代があります。
これは、我々のコーティングをお使いいただいてきたお客様のおかげです。我々のお客様が新車を購入する際、ディーラーで「キーパーのコーティングをしたい」という声が年々増えてきたことで自動車メーカーでの採用に至ったという経緯です。お客様からの声は最も強い後押しになるということを実感した出来事です。
シンガポールで直営1号店をオープン
24年8月、当社は石油元売り大手の出光興産と戦略的業務提携に合意しました。出光さんは23年度からの中期経営計画で「スマートよろずや構想」を掲げられ、サービスステーションを生活支援基地に変革するという取り組みをされていますが、当社のコーティング事業を「モビリティ」分野の1つと位置づけ、「キーパーラボ」を展開したいというお話をいただいたことが提携に結びつきました。
ありがたいことに、複数の企業から「キーパーラボ」を自社の敷地で展開したいというお声がけをいただいています。
こうした流れは、今後さらに強まる可能性があると見ています。ガソリンエンジン車やハイブリッド車はなくならないと思いますが、電気自動車の普及が進めば、エンジンや水回りの整備などが不要になります。そうすると外回り、つまり「車を綺麗にする」ということへの需要が、さらに高まることが予想されるからです。
海外展開も進めています。24年8月には海外での直営1号店、「キーパーラボ シンガポール店」をオープンしました。コーティングへの認知はこれからですが、お客様の喜び方は日本と同じでしたから、将来の成長性を感じています。
我々のコーティング技術は今、スマートフォン、浴室・キッチン・トイレ・洗面所の水まわりなど領域が広がってきています。