Dropboxが全従業員の20%に相当する528人を削減する。10月30日付けで、共同創業者兼CEOのDrew Houston氏の社内メモで告げた。

売上高が過去最低の水準

今回の対象はグローバルの従業員で、投資が過剰な分野や業績が振るわない分野になる模様だ。Houston氏はメモで「慎重に検討した結果」と記している。

Houston氏によると、Dropboxは過渡期にあるという。FSS(ファイル同期・共有)ビジネスは成熟期に入っており、Dashなどの製品を通じて次の成長フェーズに向けて取り組んできたとしながら「現在の体制と投資水準を維持しつつ、この過渡期を乗り切ることは持続不可能」と背景を説明している。

Dashはブラウザの拡張機能を利用してDropboxを利用するAI検索機能で、2023年に発表した。マクロ経済などの外部環境は問題の一部に過ぎず、「組織構造が複雑化し、管理層が過度になっているため業務が遅くなっているという声が社内から出ている」とも記している。

Dropboxは専業ベンダーのBoxのほか、Microsoft、Googleなどが提供する生産性ソフトウェアスイートと競合している。直近の決算では、売上高は前年同期比1.9%増、TechCrunchによると、これは過去最低の水準だという。

Houston氏は「今回の施策は中核となる製品を強化し、新製品の成長を加速するために不可欠なものだ」とし、2025年の戦略については近日中に説明するとしている。