双子のプロテニスプレーヤーが先端素材のスポーツウェアをネット販売 ウェブ広告駆使し売上1億円目指す

双子のプロテニスプレーヤーとして認知度の高い冨田大夢と冨田千聖が代表取締役を務めるTENEZ MANAGEMENT(テネスマネージメント)の業績が拡大している。同社はテニス関連事業を手がけており、特にアパレルブランドのネット販売で成長している。

2025年3月期のEC売上高は8000万~1億円の規模を目指している。東レ発のスピンオフベンチャーMOONRAKERS(ムーンレイカーズ)の先端素材を使用した商品力とウェブ広告を駆使して、売上高の拡大につなげている。

ブランド名は「TENEZ(テネス)」。現役アスリートであり、デザイナーでもあるTOMITA TWINS(冨田兄弟の総称)が「テニス」というスポーツに没頭し、アスリートとして学んだ哲学や考え方をもとにアパレルブランドを開発した。

クラシカルだがポップな要素を持つ「ストリートスポーツ」のラインアップと、先端素材を使用した「超快適スポーツウェア」で、多くの消費者の毎日に寄り添うアパレル商品を展開している。

「TENEZ」の特徴は、東レとJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が共同開発し、宇宙技術も搭載した先端素材である「MOON-TECH(ムーンテック)」をスポーツウェアの素材に採用していること。

「MOON-TECH」を使用することで、「消臭」「防菌」「抗菌」「吸汗速乾」「防シワ」などの機能を発揮する。

▲MOON-TECHを使用したウエア

「世の中を見ると、『消臭』『速乾』などをアピールするアパレルもある。だが、そのレベルはさまざまだ。『MOON-TECH』は最高レベルの機能性を目指して開発されており、それを使用した当社の商品は、本当にすぐ乾く。例えば、霧吹きで水をかけた場合、3プッシュくらいだと、濡れているのも見えにくいし、すぐ乾く。汗をかいた際の服が体にまとわりつく”ベタ付き”も感じにくい」(冨田大夢代表)と話す。

2021年にECサイト構築システム「Stores(ストアーズ)」を導入し、ECサイトでの販売を開始した。

2023年、「MOON-TECH」を使用したポロシャツを開発し、応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」で販売した。

「メタ広告」「オフライン」「SNSでのプレゼントキャンペーン」などを活用し、認知拡大に注力している。「メタ広告」では、25~65歳に向けて広告を配信している。

「広告を運用していく中でA/Bテストを実施しているが、『おしゃれさ』『スポーツをしているときに着用している』ことなどを表現する広告よりも、『水がたくさんかかってもすぐに吸収する』様子を配信する方が、消費者からの反応が良かった。オフラインではポップアップ、あとは『Makuake』を実施したことで、多くの人に知ってもらう機会にもなった」(冨田千聖代表)と振り返る。

今後は20代の人に支持されるブランド、40~50代の人に支持されるブランドを作り、より多くの人に利用してもらえることを目指していく。

「先端素材を使用したアクティブウェアブランド『プレミアムTECH』において、『MOON-TECH』を活用して、高級ラインのアパレル商品やストリートファッションなどを開発していく」(冨田大夢代表)と展望を話す。