Veeam Softwareの日本法人であるヴィーム・ソフトウェアは10月3日、「日本市場におけるMicrosoftソリューション協業展開」に関する記者発表会を開催した。発表会には、ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長の古舘正清氏、日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部長の浅野智氏、日本ビジネスシステムズ(JBS) 代表取締役社長の牧田幸弘氏が登壇した。
説明会では、「データ保護の最新トレンド、クラウドでのデータ保護をとりまく業界動向や課題」「Microsoftソリューション展開における日本市場での取り組み」「Veeamおよび3社での協業展開の意義」の紹介が行われた。
データ保護のトレンド
最初に登壇した古舘氏は、同社の事業戦略における今回の協業の位置付け、3月に発表したマイクロソフトとのグローバルアライアンスなどを説明した。
Veeamは、2024年3月にグローバルでMicrosoftとの戦略的協業を拡大し、AIソリューションの共同開発やAzure向けデータ保護の機能強化を目指すことを発表した。
そして今回の発表会では、日本マイクロソフトとの協業関係に、JBSが新たに加わる形で、日本市場において、「Microsoft Azure」「Microsoft 365(M365)」向けデータ保護ソリューションについて協業を進めることを説明した。
古舘氏は、データ保護のトレンドとして、ランサムウェア対策におけるバックアップ見直しが全業種で拡大していることや、マルチクラウド統合データ保護のニーズ拡大やBaaS(Banking as a Service)ニーズの拡大などを背景としたクラウドシフトに伴うバックアップ見直しが進んでいることを挙げた。
加えて、M365などのSaaSのデータにも保護手段が求められ始めているほか、VMware買収に伴うインフラ基盤の見直しによってクラウドを含む移行先の検討が進んでいるという。
その上で、古舘氏はマルチクラウド時代の事業継続に必要なこととして「ランサムウェア感染からの復元対策」「ハイブリッド/マルチクラウド統合バックアップの構築(グローバル含む)」「仮想/物理/クラウド/SaaSデータの一元的な統合バックアップの構築」という3点を挙げた。
このようなことを背景に、今回、Veeam・日本マイクロソフト・JBSの3社で協業関係を結ぶことで「クラウド時代のデータ保護の新たなスタンダードの確立」を目指す。
具体的には、「レガシー仮想化の移行」「クラウドバックアップ刷新」「ランサムウェア対策」「バックアップ」を進めたい考え。
JBSのパッケージソリューション
また今回の協業を通じて、JBSは「Azure/M365環境のデータ保護」「オンプレミスのVMware環境のクラウド移行」を支援するパッケージソリューションを開発し、2024年内にリリースしていくことを発表した。
牧田氏は、「1つの企業でも多様なクラウド環境が当たり前となる中、それらのデータをいかに保護するかが課題となっている」と説明し、今回の協業により、ハイブリッド・マルチクラウド時代におけるVeeamとJBSの知見を掛け合わせた理想的なデータ保護モデルを打ち出し、企業のビジネス継続を支援する構えであることを説明した。
また牧田氏は「マルチクラウドインテグレーターであるJBSが、Veeamと共に複雑なハイブリッド・マルチクラウド環境におけるデータ保護ソリューションを打ち出すことで、日本企業のビジネス継続に大きな貢献ができるものと期待している」と述べた。特に「Microsoft Azure(Azure)」や「M365」などのマイクロソフトソリューションのデータ保護に関しては、JBSの知見を生かした支援を早急に進めたいという。
具体的には、「VMware→Azure移行ソリューション」「Azureデータ保護ソリューション」「Microsoft 365コンプライアンス保護データソリューション」という3つのパッケージソリューションを発表している。