NECは10月3日、政府が推進するGIGAスクール構想の第2期に向けた教育ICT事業強化の一環として、学習者用端末「NEC Chromebook Y4」の販売を同日から開始することを発表した。希望小売価格はオープン。

  • 「NEC Chromebook Y4」のイメージ

    「NEC Chromebook Y4」のイメージ

「NEC Chromebook Y4」の概要

同製品は、GIGAスクール構想 第1期向け学習者用端末で得た経験を基に、堅牢性や耐久性を強化した新モデルで、NECは2028年度までに200万台の提供を目指す。

同製品は、従来モデルと同様の360度回転するディスプレイによってノートPCにもタブレット端末にもなるデザインを採用しつつ、CPUやメモリ、通信機能など基本性能を強化した。具体的には、CPUにインテルプロセッサーN100、メモリにLPDDR5メモリ(4GB)、通信機能にWi-Fi6Eを使用。

さらに、従来モデルにおける使用事例や修理履歴を基に、バッテリ部分のセパレート化をはじめとした筐体の強化や耐久性確認試験の改善を行っている。

また、従来モデルの導入や運用、保守サポートで培った経験を活かし、導入支援や保守などの周辺サービスも強化することで、児童・生徒の学びを止めないスムーズな端末の入れ替えと運用、さらなる利活用を促進する。

製品の特徴

同製品の特徴は、「安全・安心・壊れにくい」をコンセプトにした筐体設計、学校での使用を想定した耐久性確認試験の強化、児童・生徒の学びを止めない周辺サービスの強化の3点。

例えば、液晶ディスプレイとキーボードをつなぐヒンジに配したケーブルについて、開閉によるダメージリスクを軽減する構造を採用しているほか、ショートが起きにくい基板設計を採用し、電源供給ケーブルにはすべて保護回路を追加するなど、安全性に対策の強化を行っている。

  • 安全性の強化を実施

    安全性の強化を実施

また、従来実施していた米国MIL規格準拠の試験に加え、従来モデルの修理事例に基づき、既存の耐久性確認試験の強化や追加が行われている。具体的には、液晶ディスプレイに過度なストレスをかける、開閉の繰り返しや筐体に衝撃を与えるといった既存の試験に対しては、試験回数や衝撃の加速度を増加した。

さまざまな使用状況での落下を想定した試験、ランドセルに収納して通学することを想定した加圧振動試験などを追加し、学校での使用時に起こり得るトラブルへの耐久性の確認を実施するという。

  • 学校での使用を想定した耐久性確認試験の強化

    学校での使用を想定した耐久性確認試験の強化

さらに、第2期では運用中の既設端末からのスムーズかつ段階的な入れ替えが必要であることを考慮し、出荷時に管理コンソールへの登録作業やラベル貼りなどをNECが代行する。電保管庫に納品する導入支援、既設端末のリユース・リサイクルを促進する買い取り、データ消去など、各種サービスの提供も行う。

加えて、補助金対象の予備機(最大15%)を保管し、修理後に管理コンソールへの再登録まで一元管理を行う予備機運用サービスや、最大6年の延長保証サービスを提供する。