ユニ・チャームは9月27日、同業他社や資材メーカーらと共同で、脱炭素社会に向けた「一次データ流通基盤」の構築に向けた実証実験を10月1日に開始することを発表した。GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量の算定に必要となる一次データを共通のプラットフォーム上で流通させることを目的として実施する。
実証の概要
今回の実証では、サプライチェーン連携の効率化とデータ秘匿性の確保に取り組む。サプライチェーン連携の効率化では、データ授受をデータスペースプラットフォームを介して行うことで、データ提供社が個別対応せずとも受信社が必要な情報を受け取ることができるかを確認する。
データ秘匿性の確保では、従来の中央集権的なデータベースとは異なり、流通基盤管理者へのデータ提供の必要はなく、提供者と指定された開示先にのみ保存される「分散型」の仕組みを採用することで、秘匿性を確保する。実際にデータを流通させ、安全なデータ流通の実用性を検証する。
実証スケジュール
実証実験は12月完了を目指して進められる。7月~9月に実務者協議を開催し、関係者が集まりシステムに必要な要件やデータ流通の課題について協議する。10月に一次データをプラットフォーム上で流通させる実証実験を開始する。
12月に実証実験を終了し、データ流通の効果や課題を評価するとともに次のステップに向けた取り組み案について検討する。2025年以降は実証成果の公表および社会実装に向けた検討を進める。
参画企業
日用品メーカーから花王、大王製紙、ユニ・チャーム、ライオンが参画。資材メーカーからエム・エーライフマテリアルズ、JNC、住友精化、TOPPAN、日本触媒、三菱ケミカルグループ、レンゴーが参画する。また、データ流通プラットフォームの構築と運用としてNTTコミュニケーションズが、全体事務局としてデロイトトーマツコンサルティングがそれぞれ参画する。