NECは9月18日、同社が出資するエコシステム型コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「NEC Orchestrating Future Fund」(NOFF)が、生成AIの研究開発を行う「Sakana AI」に出資したことを発表した。これを機にNECは、Sakana AIと生成AIを活用した事業連携に向けた議論を開始した。
Sakana AIの概要
Sakana AIは、2023年8月に東京で設立された生成AIに関する研究開発を行う企業。同社は、「進化」や「集合知」といった自然界の法則に基づく革新的なAI開発手法を生み出しており、複数のAIモデルを組み合わせて低コストで新しい機能を持つモデルを開発する研究などに取り組んでいる。一方、NECでは産業ごとに最適化されたAIモデルの効率的かつ安全な開発が重要な技術課題としている。
Sakana AIの複数の異なるモデルを組み合わせることができる技術は、宇宙や官公庁などさまざまな領域における固有かつ複雑な課題を迅速に解決できる可能性があることから、NECは今回の出資をきっかけにSakana AIとの事業連携に向けた議論を開始したという。
各社コメント
NEC執行役 Corporate EVP兼CTOの西原基夫氏は、次のようにコメントしている。
「NEC Orchestrating Future Fundは、先端技術と革新的なビジネスモデルで新しい市場を切り拓くスタートアップに投資しています。Sakana AIは、異なるモデルを組み合わせて顧客課題を解決する高度なカスタムモデルを短期間・低コストで開発することに取り組んでおり、AI活用の可能性を大きく拡大できる企業であると考えています。これは、NECが掲げる「人と協働し社会に浸透するAI」というビジョンにも合致するものです。同社とともに新しい社会価値創造の取り組みを加速していきます」
Sakana AIのFounder and CEOであるデビッド・ハー氏は次のようにコメントしている。
「業界のリーディングカンパニーであるNECとともに、研究開発に加え、事業での連携を加速させていきます。NECとのパートナーシップを通じて、日本の産業や社会が抱える課題の解決に貢献していく考えです」