Sansanは9月18日、同社のインボイス管理サービス「Bill One」が経理担当者1000人を対象に実施した「インボイス制度開始1年後の実態調査」の結果を公表した。インボイス制度開始から1年が経過しても7割以上の経理担当者が業務負担の増加などの課題を感じており、1人あたりの月の業務時間が平均5.5時間増加していることが明らかになった。

  • インボイス制度開始から1年経過するも、7割以上の経理担当者が対応への課題を感じている(出典:Sansan)

    インボイス制度開始から1年経過するも、7割以上の経理担当者が対応への課題を感じている(出典:Sansan)

経理担当者1000人に対し、現在インボイス制度対応について課題を感じているか聞いたところ71.0%が「課題を感じている」と回答し、制度開始から1年が経過しても多くの人が依然として課題を感じていることが明らかになった。

「課題を感じている」と回答した人の具体的な課題として最も多かったのは「制度対応に伴う業務負担の増加」(50.1%)、次いで「請求書や領収書が適格請求書の要件を満たしているかの判断が難しい」(38.6%)、「社員が適切に制度対応できているか不安」(38.3%)であった。

  • 現在、インボイス制度対応について課題だと感じるもの(出典:Sansan)

    現在、インボイス制度対応について課題だと感じるもの(出典:Sansan)

同じく「課題を感じている」と回答した人に、制度開始前(2023年10月以前)と現在の月次決算業務にかかる時間の増加を尋ねたところ、1人あたりの月平均で約5.5時間増加していることがわかった。

受け取った請求書の適格請求書要件を確認する方法について尋ねると、約7割の経理担当者が目視で確認していることが判明。現場部門でも目視確認を行っているケースがあり、アナログな確認作業による手間がかかっていることがうかがえる結果となった。

  • いまだ約7割が適格請求書の要件確認を目視で実施している(出典:Sansan)

    いまだ約7割が適格請求書の要件確認を目視で実施している(出典:Sansan)

インボイス制度による自社への影響を聞くと、「業務量が増え経理担当者が不足している」(33.8%)が最多。次いで「残業時間が増えた」(25.0%)、「グループ会社間で対応状況が異なっている」(16.0%)となった。業務量の増加だけでなく、グループ会社間で対応が一致していない企業もあり、コーポレートガバナンス上でも懸念がある現状がうかがえた。

  • インボイス制度による自社への影響で特に大きいのは「経理担当者の不足」「残業時間の増加」「グループ会社間における対応状況の相違」(出典:Sansan)

    インボイス制度による自社への影響で特に大きいのは「経理担当者の不足」「残業時間の増加」「グループ会社間における対応状況の相違」(出典:Sansan)