ThousandEyesは9月6日(米国時間)、「Exploring the World of Subsea Cables + AWS, ServiceNow Issues」において、過去2週間(8月19日から9月1日)にインターネット全体で発生した障害と傾向の分析レポートを公開した。レポート全文は「Stream episode The Current Subsea Cable Ecosystem: Resiliency & What’s Next by Cisco Podcast Network podcast | Listen online for free on SoundCloud」から聴くことができる。
AWSとServiceNowの障害の詳細
ThousandEyesはこの2週間に発生したインターネット上の主な障害として、以下について解説している。
8月29日:AWSの混乱
午前8時32分から午前9時58分(協定世界時)の間、Amazon Web Services(AWS)において、「us-gov-west-1」を含む7つのリージョンから「us-east-1」のAWSサービスエンドポイントに接続できなくなった。障害はアクセシビリティに影響を及ぼし、アイデンティティとアクセス管理サービスの障害が疑われた。しかしながら調査の結果、不特定の「ネットワーク障害」が原因と判明。原因を修正した結果、障害は回復した。
8月26日:ServiceNowの停止
午後7時25分(協定世界時)頃、企業向けクラウドサービス「ServiceNow」に障害が発生した。この障害により一部の顧客はServiceNowインスタンスにアクセスできなくなった。
原因は分散型サービス拒否攻撃(DDoS: Distributed Denial of Service attack)によるトラフィックの増大。このサイバー攻撃によりアリゾナ州とオンタリオ州のデータセンターの外部向けネットワーク回線が飽和状態に陥った。午後8時30分(協定世界時)頃、輻輳の改善がみられるようになり、午後9時40分(協定世界時)頃に完全回復した。
ネットワーク障害の傾向
ThousandEyesは同期間におけるインターネットサービスプロバイダー(ISP: Internet Service Provider)、クラウドサービスプロバイダーネットワーク、コラボレーションアプリネットワーク、エッジネットワークにて観測された障害の傾向について報告している。その概要は次のとおり。
- 8月19日から9月1日までの期間、全世界の障害は減少した。第1週(8月19日から25日)の障害件数は211件から204件へと約3%減少した。減少傾向は翌週も続き、8月26日から9月1日にかけて障害件数は204件から191件に約6%減少した
- 米国では上記のパターンに当てはまらなかった。第1週(8月19日から25日)の障害件数は27%増加した。しかしながら翌週は減少し、8月26日から9月1日にかけて23%減少している
- 米国中心の障害は依然として世界全体の障害の40%以上を占めている。8月19日から9月1日までに発生した障害の約45%は米国で発生し、その前の2週間(8月5日から18日)も約44%が米国で発生している