富士通と米国のAIスタートアップMoBagel(モベーゲル)は9月5日、MoBagelのAutoMLプラットフォーム「Decanter AI(デキャンターエーアイ)」に、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」から提供されている技術の一部を搭載し、AIによる予測を高速化するソリューションを提供開始することを発表した。なお、両社はAIにより企業のビジネスプロセスを変革するための戦略的パートナーシップを2023年12月に締結していた。
富士通は機械学習モデルの構築を自動化する「Fujitsu Kozuchi AutoML(オートエムエル)」と、説明可能なAI技術「Fujitsu Kozuchi XAI」の一部である「Wide Learning」のライセンスをMoBagelに提供する。MoBagelはこれをDecanter AIに新規のソリューションとして実装することで、データ分析とモデリングを合理化しながら正確かつコスト効率よくAIモデルを構築するためのAIソリューションを実現するという。
ソリューションの概要
Decanter AIに実装されたAIによる予測を高速化するソリューションは、3つの機能から構成される。データ検証と異常スコアリングでは、入力されたデータはモデリングの際の精度の確保と処理の高速化のために、Decanter AIのデータ処理技術によって検証される。
このスコアリングでは、情報の整合性と有用性の観点からデータが3段階でランク付けされる。このシステムは分析とモデリングのためにデータセットを正確に評価し、より良いデータ管理のためにデータを調整する方法を提案する。
アルゴリズム推奨システムでは、Fujitsu Kozuchi AutoMLの技術をベースとしたアルゴリズム推奨システムが、最適な機械学習モデルを提案。これにより、モデリングの効率と精度の向上が期待できるという。
説明可能なAIのための特徴分析においては、機械学習モデルによって分析された結果にはWide Learningの技術をベースとした特徴分析技術が実践的な洞察を提供する。特徴分析により重要な特徴を重み付けとともに提示し、それらの重要性と関連性を示す。さらに、特定された特徴はLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)により自然言語で要約される。