NTT東日本神奈川事業部、フルノシステムズ、インターネットイニシアティブ(IIJ)、芦之湖漁業協同組合は8月30日、芦ノ湖で無線通信を活用したデジタル監視・管理の実証について、一定の成果があったとして、結果を報告した。
実証の概要
同実証は4月19日から5月31日にかけて、芦ノ湖湖畔で実施された。実証内容は「802.11ah(Wi-Fi HaLow)によるカメラ監視」と「802.11ah(Wi-Fi HaLow)」とLoRaWANによる水温センシング計測」。
実証結果の分析
観光船やボートなどの往来も多く、若干の電波の乱れはあるものの、平均して 200~300kbps のスループットを確保でき、動画伝送、水温データ伝送に大きな影響はなく、安定した通信環境が確保できたという。
カメラでの監視については、人物検知・モーション検知によるイベント録画機能を使用し、昼間の人物検知は正常に動作しており、「事故や密漁に対する早期対応」が可能であることが分かった。
今回、夜間でDay Mode 撮影(赤外線 IR 未使用)と Night Mode撮影(赤外線 IR 使用)の撮影比較を行った。Night Modeでの強いIRライト照射は消費電力が高くバッテリー消費が大きくなるため照度を20%に抑えて行った。また、人物検知・モーション検知の感度も高めの設定だったため、夜間の撮影では、鳥や木の葉の揺れにも反応・撮影したことで、人物以外の映像データも保存されたという。
さらに、日照は午前中しかない場所だったため、ソーラーパネルの充電が十分にできないと想定し、100Wのパネルと55Ah のバッテリーを採用したが、バッテリーは大きく減衰することなく十分に充電が行われたことを確認できたという。