GMOインターネットグループは8月29日、国内企業のIT部門責任者・担当者1128名を対象に実施したGPUクラウドサービスの認知度と利用実態に関する調査の結果を発表した。これによると、約半数のIT担当者がGPUクラウドサービスを認識しておらず、利用率はわずか5.4%だった。

  • GPUクラウドサービス認知度 出典:GMOインターネットグループ

    GPUクラウドサービス認知度 出典:GMOインターネットグループ

GPUクラウドサービスは、AI分野を中心に注目が高まっているものの、国内企業における認知度や利用率は、まだ十分に高いとは言えない状況であることが明らかになった。

GPUクラウドサービスは、インターネットを通じてGPUの計算リソースを提供するサービス。物理的なGPUハードウエアを直接購入することなく、必要な計算能力を手軽に得られるためニーズが増加している。

同調査結果によると、 IT部門担当者の47.2%がGPUクラウドサービスを「今回の調査で初めて知った」と回答した。「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」という回答が24.3%を占め、合計71.5%がGPUクラウドサービスについて詳しく知らないことが判明した。

また、企業におけるGPUクラウドサービスの利用率はわずか5.4%にとどまり、検討中の企業も6.0%という結果になった。実際に「GPUクラウドサービスを利用している」、「GPUサーバーをオンプレミスで利用している」94名に、GPUの利用用途を聞いたところ、「生成AI(テキスト生成、画像生成など)モデルの開発」が60.6%、「生成AI以外でのAIモデル学習や機械学習」が51.1%と、AI関連で利用されているケースが多いことが分かった。

  • GPUクラウドサービス利用率は5.4% 出典:GMOインターネットグループ

    GPUクラウドサービス利用率は5.4% 出典:GMOインターネットグループ

一方、利用されているGPUクラウドサービスは、海外サービスが89.7%を占め、国内サービスは10.3%と大きな差がついていることも判明した。自国のデータを自国内で管理する「データ主権」が注目されている中でも、まだまだ国内のサービスが利用されていないという実態が浮き彫りになった。

  • 海外サービス利用が約9割 出典:GMOインターネットグループ

    海外サービス利用が約9割 出典:GMOインターネットグループ

IT部門担当者全体でGPUクラウドの利用や検討において重視する項目としては、「データセキュリティ」(49.5%)、「利用料金」(49.1%)、「サービスの安定性」(33.0%)が上位を占めた。

実際にGPUクラウドを利用している人の場合、「データセキュリティ」(66.0%)、「GPUスペック」(48.9%)、「GPUリソースの可用性」(41.5%)を重視する割合が高く、「利用料金」を重視するのは35.1%にとどまった。GPUに関する知識がある人ほど、「GPUスペック」や「GPUリソースの可用性」を重視する割合が高く、「法的リスク」についても注視していることが分かった。

  • GPUクラウドサービス利用検討時に「データセキュリティ」を重視するIT担当者は約半数 出典:GMOインターネットグループ

    GPUクラウドサービス利用検討時に「データセキュリティ」を重視するIT担当者は約半数 出典:GMOインターネットグループ