米Broadcom傘下のVMwareは8月26日(米国時間)から4日間、米ラスベガスで年次カンファレンス「VMware Explore 2024」を開催している。前身となるVMworldから数えて21回目となる今回も、米国を中心に欧州、アジアからの顧客やパートナーが参加した。日本からも約150名が参加しているという。

過去のカンファレンスと比較し、規模は縮小されたものの、会期中は複数のコミュニティ主催によるネットワーキングイベントが開催される予定だ。

  • 会場となったのはネバダ州ラスベガスにある「The Venetian Resort」。昨年と同じ会場だが、かなり規模は縮小された印象だ

168種類を2つのfoundationに集約するも「顧客への説明は十分ではなかった」

Broadcomは2023年11月にVMwareを610億ドルで買収した。現在「VMware」は、Broadcomの仮想化ソフトウェアのブランドという位置づけになっている。

買収後、BroadcomはVMwareが擁していた8,964種類のSKU(Stock Keeping Unit)と168種類の製品・バンドル・エディションを「VMware Cloud Foundation」と「vSphere Foundation」に集約した。同時にビジネスモデルを永久ライセンスからサブスクリプションモデルへ移行し、パートナーエコシステムを大幅に見直した。

同社は「これらの取り組みにより、Broadcomは製品とライセンスの複雑性を解消し、より効率的に製品開発が可能になったことで、迅速に製品を市場投入できる。さらにパートナーとの協力関係を強化し、顧客にもさらなる価値提供が可能になった」としている。

しかし、コア単位のサブスクリプションライセンスへの変更や、機能単位での製品購入が不可能になったこと、さらにサーバベンダーへのOEMライセンス提供の大幅な変更で、既存顧客は予算や運用管理の見直しを余儀なくされた。

BroadcomでVMware VCF部門 プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるPrashanth Shenoy(プラシャント・シェノイ)氏は、カンファレンス直前に行われたアジア・太平洋地域の記者向け説明会で、「買収にあたり、さまざまなことを拙速に進めた。その結果、顧客に不安を抱かせてしまった」と、顧客に対する説明不足を認めた。

そのうえで、同氏は「一部の顧客からはコストに対する懸念が上がっていることは承知している。われわれはサブスクリプションライセンスへの変更に伴う契約を、丁寧かつ柔軟に対応していく」と述べた。

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