はぐくみプラス、美容ブランド「cocone」が累計400万個超のヒット オールインワンのヘアケアが人気

はぐくみプラスは、自社ECサイト「hugkumi+(はぐくみプラス)公式サイト」を運営している。同社のヘアケア・スキンケアのヒットブランド「cocone(ココネ)」ブランドの累計販売個数は400万個超(2023年8月時点)。執行役員の松浦理奈氏は、「当社は以前、ほぼ通販事業専業の業態だったが、約2年前から戦略の転換を行った。現在はEC事業に基盤を置きつつ、オフラインの展開にも注力している」と話す。業績は右肩上がりで成長を遂げているようだ。

「cocone」で特に人気なのは、オールインワンのヘアケア商品「クレイクリームシャンプー」だ。泡立たないクリームシャンプー。しっかり洗い上げることで摩擦や切れ毛を抑え、ダメージを補修しながら、頭皮をケアすることができるとしている。1本あれば、コンディショナー不要の時短ケアが可能だという。

松浦氏は同ブランドの人気の要因について(1)ビジュアル(2)商品力(3)時代の”タイパ(タイムパフォーマンス)”ニーズとの合致─という3点があると分析している。

商品設計の段階で、広告クリエーティブに適したビジュアルを考案していたそうだ。「『cocone』ブランドのリリース時には、動画広告がはやっていた。製品のビジュアルのおかげで、動画広告などで、インパクトのあるクリエーティブが作りやすかったのも利点だった。インフルエンサーからインフルエンサーへと広まり、SNS上で”バズ”を作り出せた」(松浦氏)と話す。

そこで、いわゆる”バズ消費”のような一過性の人気にとどまらなかったのは、商品力があったからだという。

「”タイパ”のニーズが高まっていた。『オールインワンシャンプー』という、”時短”かつ”高機能”という商品の特徴が、消費者のニーズに合致したと考えている」(同)としている。

同社では2014年の創業当初から、妊活・妊娠・子育て期の家族に向けた、健康食品・化粧品の専門ブランド「konome(コノメ)」を展開してきた。ファーストベビー化粧品を取り扱うブランド「anone baby(アノネベビー)」も展開するなど、子育て世代の顧客との関わりが深かったという。

その後、顧客インタビューを重ね、2019年に「cocone」が生まれたという。

▲cocone クレイクリームシャンプー(モイスト)

松浦氏は、「顧客インタビューの中で印象的だったのが、母親の『お風呂』事情だった。子どもと一緒にお風呂に入ると、自分の髪を洗うのにも苦労すると聞いた。子育て世代の母親を助けられて、母親がきれいにもなれる商品を作りたいと考え、『オールインワンのヘアケア』の開発に至った」と話す。

「一般的にリンスインシャンプーのイメージを覆すような、高い品質の商品を展開すれば、ヒットにつながると考えた」(同)とも言う。狙い通り、「cocone」は累計販売個数400万個を超えるヒットブランドとなっている。