【アパレル業界注目サービス】「Body2Fit」、国内大手アパレル企業とアダストリアが導入

Bodygram Inc.が提供するアパレル商品の最適サイズをユーザーにレコメンドするAIソリューション「Body2Fit」がEC業界でシェアを高めている。現在は国内のファッションEC売上高ランキングトップ3のうち2社となる国内大手アパレル企業と、.stなどを展開するアダストリアが同ソリューションを採用している。オンラインショッピングで壁になりがちなサイズ問題を解決し、ユーザーにとって最適な商品サイズを提案できる。顧客体験の向上、売り上げ拡大への貢献、返品率低減につながることを武器にさらなるシェア拡大を目指す。

Bodygram Japanは2019年にBodygram Inc.の完全子会社として設立された。設立直後から B2B事業内で国内大手アパレル企業などへ、AIを活用したサイズテックソリューション「Bodygram」を提供している。

「Bodygram」は年齢・身長・体重・性別を入力し、服を着たままスマホで身体の正面と側面の写真を合計2枚撮影するだけで計測が完了する。被写体のボディーラインを自動で検出し、腹囲・肩幅・手足の長さなど全身33カ所を計測するソリューションだ。現在、制服やユニフォームの制作企業などアパレル系をはじめ、寝具や保険などライフスタイルやヘルスケア関連企業への導入にもつながっている。

「スポーツの有名校では制服採寸に活用いただくなど需要は多岐にわたる。全国から学生が集まる大規模校の場合、従来の手採寸では膨大な時間がかかる。生徒にとっても時間だけでなく交通費もかかり、採寸工程には課題が多かった。だが、コロナ禍をきっかけにAI採寸を導入した。『Bodygram』ならスマホで写真を撮り、基本情報を入力するだけで、全身の採寸が終わる。工程削減につながる技術だ」(広報)と説明する。

2023年1月には「Bodygram」とは別の「Body2Fit」の提供を開始。「Body2Fit」では、ユーザーの身体採寸を行うだけでなく、商品情報を基にした最適なサイズ提案まで行う。

「『Bodygram』を提案している中で、企業から『身体採寸ができるなら、もう一歩進んでその人にとってピッタリな商品サイズを提案できるようにしてほしい』と言われたことがきっかけだった。その時点で市場には採寸ソリューションがいくつかあったが、2Dで計測するものが多かった。3Dでユーザーの身体を採寸できるソリューションには優位性があった」(森永マークBodygram Inc. CEO)と振り返る。

▲計測フローのイメージ図

ECサイトと連携することで、ユーザーはオンラインショッピングの際、サイト上で身長や年齢などを入力し、写真を撮るだけで、自分にフィットする商品が分かる。

「導入企業から商品のサイズ詳細をいただくことで、『Body2Fit』がこの人ならこのサイズと自動提案する」(高尾裕文Bodygram Japan執行役員)と話す。

アパレルECを展開する企業では、写真・動画の活用は見逃せない。「Body2Fit」を導入すれば、オンラインショッピングにおいて顧客体験の向上が見込まれる。ただそれだけではなく、「将来的にはスタッフコーディネートとの連携や、CRM、オンライン接客にも活用できる。さらにSDGsの観点でアパレルにおける在庫過多への取り組みにも活用できるだろう。実際に購入している顧客の体型データをもとに商品を企画できれば、生産量のコントロールにも寄与できる可能性が高い」(高尾Bodygram Japan執行役員)と話す。