Microsoftは今年1月にWindows 10向けに更新プログラムKB5034441およびKB5034440をリリースしたが、これらのアップデートにはWinRE(Windows 回復環境)に関連するエラーによってインストールできない可能性があるという問題が含まれていた。Neowinは8月14日、「Microsoft kills unfixable KB5034440/KB5034441 updates, replaces with KB5042321/KB5042320」において、Microsoftがついに問題の原因となっているKB5034441/KB5034440を取り下げ、KB5042321およびKB5042320に置き換えたと伝えた。

  • KB5042321: Windows 11 バージョン 21H2 の Windows Recovery Environment 更新プログラム: 2024 年 1 月 9 日

    KB5042321: Windows 11 バージョン 21H2 の Windows Recovery Environment 更新プログラム: 2024 年 1 月 9 日

更新プログラムKB5034441/KB5034440で発生していた問題

KB5034441とKB5034440は、Windows 10における脆弱性「CVE-2024-20666」に対処するためにリリースされたセキュリティ更新プログラム。CVE-2024-20666はWinREに関連した脆弱性で、悪用されるとWinREを使用してBitLockerのセキュリティ機能をバイパスできる可能性がある。

Microsoftは2024年1月の月例アップデートの一部としてKB5034441とKB5034440をリリースしたが、その後、複数のユーザーからこれらの更新プログラムのインストールが「0x80070643エラー」により失敗するという報告が相次いだ。

この問題は更新プログラムを実行するための回復パーティションの容量が足りないことによって発生するもので、問題を解消してWinREを正常に更新するためには回復パーティションのサイズを手動で変更する必要がある。Microsoftでは、次のサポートページでその方法を解説している。

事前に回復パーティションを250MB以上に拡張することが要件に

Microsoftでは当初、手動で「0x80070643エラー」を回避する前述の方法が不要となる新しいソリューションを提供する予定だと説明していた。しかしその後、自動修正の提供を諦め、代わりに、あらかじめ回復パーティションを250MB以上に手動で拡張することを更新プログラム適用の要件に付け加えると発表した。

同社はこのたび、正式にKB5034441とKB5034440を取り下げ、そのコンテンツをKB5042321およびKB5042320に置き換えた。

その要約には、新たに注意書きとして、「この更新プログラムを正常にインストールするには、回復パーティションに250MBの空き領域が必要です」という説明が追加され、その上で手動もしくはサンプル スクリプトを利用して回復パーティションのサイズを拡張する方法が掲載されている。