アルティウスリンクと大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進めるELYZAは8月9日、コンタクトセンター事業における生成AI活用において協業を開始することを発表した。コンタクトセンター特化型のLLMをはじめ、生成AIを活用した新サービスの共同開発を行い、企業のBX(ビジネストランスフォーメーション)を推進するサービスブランド「Altius ONE」の機能を拡充、順次提供を開始する。

協業の背景

ELYZAは、AI研究の第一人者である東京大学・松尾豊教授の研究室のメンバーが立ち上げたAI企業で、国内においてLLMの研究開発および社会実装を牽引する企業。2024年6月には、国産LLM「ELYZA LLM for JP」シリーズ最新モデルを発表した。

また同社は、LLMの開発に留まらず、複数の国内大手企業でのLLM実装で実成果を出しており、企業のDX推進を総合的に支援している。

一方のアルティウスリンクは、人による高付加価値なサービスとAIなどの最新のデジタル技術を掛け合わせ、コンタクトセンターやバックオフィスを含む顧客企業の真の課題解決に寄り沿うBPO(Business Process Outsourcing)事業を展開している。

2024年5月には、あらゆる顧客接点で得られたデータ分析とオペレーションを掛け合わせてビジネスプロセスの変革を図るサービスブランド「Altius ONE」を発表、サービス第1弾としてカスタマーサポート領域に特化した「Altius ONE for Support」の提供を開始している。

今回、ELYZAの生成AI関連の研究開発力・社会実装力と、アルティウスリンクの国内最大規模のコンタクトセンター運営ノウハウを掛け合わせ、データドリブンな次世代コンタクトセンターサービスの提供を通じた新たな価値創出に向けて今回の協業に至ったという。

  • 2社の役割と協業による提供価値

    2社の役割と協業による提供価値

協業の主な取り組み

アルティウスリンクが提供する顧客応対やオペレーションプロセスの効率化など、コンタクトセンターにおけるさまざまな業務において、ELYZAが提供するLLMを実装したアプリを共同で開発し、活用することで、企業・自治体のコンタクトセンターのDXを推進し、業務効率の最適化・付加価値の高い顧客対応を実現する。

協業に至るまでのプロセスとして、アルティウスリンクにおけるコンタクトセンターの業務効率化を目的に、顧客応対結果の入力など後処理業務での生成AIの活用の実証実験を行った。顧客応対内容の全文を生成AIで要約などの処理をした結果、高い精度を確認しており、現場より高い評価を獲得しているという。

  • 2社によるLLM開発プロセス

    2社によるLLM開発プロセス

アルティウスリンクとELYZAは、両社の協業形態についてさらに検討を進め、生成AI活用とオペレーション力を通じて顧客企業の業務改革、BX実現を支援し、新たな顧客体験を創造していきたい考え。​