【新会社の戦略を聞く】DGコマース、清水和徳社長「DGグループのデータを付加価値にEC支援」

デジタルガレージグループのDGフィナンシャルテクノロジーと、システムインテグレータの2社はこのほど、ワンストップでECサイト構築支援を行う「株式会社DGコマース」を立ち上げた。新会社では、EC構築パッケージ「SI Web Shopping(エスアイ・ウェブ・ショッピング)」を提供する。加えて、デジタルガレージグループの提供するマーケティングや決済のビッグデータを生かした、ECの運用支援も行っていくとしている。DGコマースの代表取締役社長に就任した清水和徳氏に、新会社が提供していくサービスについて聞いた。

<30年近い実績>

――DGコマース設立の目的を聞きたい。

 

デジタルガレージグループの持つ、マーケティングや決済などに関するビッグデータを付加価値として、新しいECサイト支援のサービスを提供していくことが目的だ。

 

システムインテグレータには、これまで30年以上のあいだ、国内1000以上のECサイトを構築してきたノウハウがある。一方、デジタルガレージグループも決済・マーケティングの領域で30年近く国内のEC事業者を支援してきた。

 

現在、自社ECサイトの構築・運営においては、「サイトを作る」ことと共に、売り上げを立てることや利益を出すことが求められるようになっている。

 

そこで、システムインテグレータと共同で「DGコマース」を設立した。「SI Web Shopping」を使ったサイトの構築から売り上げの拡大まで、一気通貫で支援していく。デジタルガレージグループが保有するマーケティング、顧客体験、不正対策、決済といった、ECのバリューチェーンに関わるソリューションを、一気通貫で提供していく。

 

例えば、デジタルガレージグループでは、売れ筋商品やポイントなどに関する、さまざまなビッグデータが蓄積されるプラットフォームを有している。将来的に、それぞれで得たデータを、クライアントのEC事業者のマーケティングに活用してもらうことができる。

 

DGフィナンシャルテクノロジーが持つ、決済のビッグデータも活用可能だ。

<SaaSもオンプレも>

――ECサイトの構築における事業者のニーズに変化は?

 

最近では、大手であっても、SaaS型のEC構築システムを使うケースが少なくない。一方で、ECに関するシステム基盤やサーバーを自社で保有する「オンプレミス」型のニーズも根強くある。

 

「オンプレミス」型では、社内の情報システム部門が、マーケティングの部署と連携しながら、ECサイトを運用しているケースも多い。予算やコスト管理も、情報システムとマーケティングで分かれているケースが一般的だ。

 

実店舗を多く持つ企業では、「オンプレミス」型を採用しているケースが多い。実店舗の顧客データと、ECサイトの顧客データを、同じ基幹システムで管理している。OMOの施策には切り離せないシステム連携だ。

 

このように、企業によって、SaaS型なのか「オンプレミス」型なのかなど、ニーズは異なる。

 

DGコマースでは、SaaS型でも「オンプレミス」型でも、どちらのECサイト構築も可能だ。

 

クライアント企業のニーズに合わせて、最適なECサイトの構築を提案していく。

 

デジタルガレージグループでは現在、生成AIを使った新しい統計解析のモデルを構築している。専門のデータサイエンティストが、さまざまな統計情報を、生成AIを使って分析している。

 

広告効果の測定や、ニーズの高い商品の開発など、ECに活用できるデータが、さらに精度高く提供できるようになっていくだろう。

 

DGコマースでは、デジタルガレージグループの最先端のデータ分析を提供できるようにしていく。