出荷国1位は「アメリカ」 販売アイテム1位は「Tシャツ」【ジグザグが上半期の越境EC調査】

ウェブインバウンド・越境EC支援を行う「WorldShopping BIZ(ワールドショッピングビズ)」を展開するジグザグは7月25日、保有ユーザーデータを元にした「2024年版、上半期ウェブインバウンド データ」を公開した。ジグザグの提唱する「ウェブバウンド」は、海外から日本のECサイトへアクセスするユーザーを指しており、今回の調査では、出荷国の上位割合ではアメリカがもっとも多く、購入ジャンルの上位は「アパレル」であることなどがわかった。

ジグザグは、国内EC事業者向けの越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」、海外在住のユーザー向けに日本の商品購入をサポートする「WorldShopping」を展開。ウェブインバウンド・越境EC支援を行っている。

日本政府観光局(JNTO)が2024年7月19日に発表した「2024年6月訪日外国人数(推計値)」は313万5600人となり、単月として過去最高を記録。4カ月連続で300万人を突破した。前年同月比で51.2%増、2019年同月比でも8.9%増となり、過去最高だった2019年同期を100万人以上を上回っている。

前月に引き続き、学校休暇に合わせた訪日需要が高まっているほか、東アジアでは台湾、東南アジアではフィリピン、欧米豪・中東地域では米国などでさらに訪日需要が高まり、押し上げ要因となっている。

国土交通省が発表するインバウンド消費動向調査では、その対象は実際に日本に訪れた外国人観光客となる。一方、2024年3月にジグザグとResorz社が共同で公開した「越境EC・ウェブインバウンド白書」では、「訪日経験者」と「訪日未経験者」の両方に焦点を当てて消費動向の違いを調査しており、訪日経験者の方が越境ECの利用経験が高いことが明らかになった。

訪日経験が旅行中以外の消費を促すことが示唆され、旅行の前後でも日本のECサイトでの購入体験を生み出すことは、ジグザグが提唱するウェブインバウンドという新たな経済圏の可能性を秘めているとし、このほど保有ユーザーデータを元にした「2024年版、上半期ウェブインバウンド データ」を公開した。海外ユーザーデータの公開により、国内EC事業における「海外販売対応・ウェブインバウンド対応」の重要性を解き明かす。

海外ユーザーからの「日本商品」の需要は高まりを見せ、2024年6月末時点で、出荷実績は169の国と地域へと拡大した。ウェブインバウンドにおける、商品出荷国の上位割合を見ると、最も多かったのは「アメリカ」で24.2%、第2位は「香港」で17.8%、第3位は台湾で15.2%だった。

グローバルマーケティングにおいては、地域によりユーザーの行動様式が異なるうえ、時差も伴って日本におけるピークタイムが国内傾向と異なる結果となる。そのため越境ECにおいては、販売「地域」の特定は非常に重要になるとし、同データでは、最も出荷実績の高かったアメリカを代表例として、日本と異なる購買傾向を紹介している。

アメリカから日本の商品を購入するユーザーにおいては顕著に時差が影響し、日本時間の午前~昼頃にかけて購買活動が活発化している様子がうかがえた。現地時間のピークタイムの傾向、東海岸(ニューヨーク)「22時~23時(JST-13)」前後、西海岸(ロサンゼルス)「19時~20時(JST-16)」前後は、ともに日本時間に直すと昼の12時前後となり、プロモーションなどをする際は午前中に行うことで、ピークタイム前に発信を届けられる計算となる。

曜日別の購買データでは、日本時間の「金曜~土曜日」にかけてオンラインショッピングを活発に行っているという傾向が見られた。

これらのことから、特にアメリカに集中して施策を打つ場合は、購買活動が活発になりやすい週末(金~日)にかけてプロモーションを強化する、SNS投稿は予約投稿などを利用してピークタイム前に合わせて情報を発信するなどの工夫が有効と言えると分析している。

次に、2024年の上半期データより、売れたジャンルのランキング算出した結果、1位は「Tシャツ」、2位には「ズボン・パンツ」、3位には「CD・DVD」がランクインした。日本のアパレル商品は、ドメスティックブランドの人気が継続していることに加えや、アニメや漫画・アート作品とのコラボ商品の人気が高いこともランキングに大きく貢献した。

今回のランキングでは、「キーホルダー」「アクリルスタンド」「ぬいぐるみ」「ステッカー」など、日本のアニメ、ホビー関連商材も並んだ。特に、日本限定で販売されているアニメのイベントグッズや映画公開を記念したグッズは、販売の情報をSNSなどでキャッチして発売と同時に購入されるケースも散見されている。

写真投稿系のSNSでも、グッズと一緒の外出先の写真や食事中の写真をアップするために、「アクリルキーホルダー」をバッグチャームとして利用したり、「ぬいぐるみ」などを写真に収めるなど「推し活」を後押しするアイテムとして、エンタメ系グッズは日本から海外に売れているカテゴリの1つとして根強く定着している様子がうかがえた。