味噌・醤油の老舗「山田醸造」、新みそディップで販路拡大 商品案内やレシピページでファン獲得

みそ、しょうゆ製造で明治24年創業の山田醸造はECサイトによる販売にも力を入れている。関東圏への販路拡大を狙って通販に古くから取り組み、2007年には自社ECサイトも立ち上げた。15年にスマホ注文もしやすいサイトに改修している。

山田醸造のECサイト「味噌・醤油の蔵元 山田屋」には、女将が毎月作成する商品案内などを掲載するお便り「豆まめ通信」や、レシピページなど読み物も盛り込んでいる。レシピページは中でもプレビュー数が多く、SNSで話題になったこともあり、その時は掲載商品が完売状態になったこともあるという。

同社は「発酵に挑戦し、学び、進化し続ける」をミッションに掲げる。酵母を他社から仕入れるメーカーもある中、自家培養の酵母を使用しており、甘く、フルーティーな香りが特徴になっている。

▲米糀の手入れの様子

今年6月1日には、新商品となるディップソース「Bread Dip Cozy(ブレッドディップコージー)」をECサイトなどで発売した。

パンに塗って食べたり、パスタ料理やバーベキューの肉料理などへの使用も提案している。和食だけのイメージから脱して、さまざまな飲食店やキャンプ用品店などBtoB向けにも販路を広げたい考えだ。

▲「Bread Dip Cozy」の使用イメージ

パンに塗るのがジャムやマーガリンばかりでは、野菜が摂れていないと、ある時感じたことが「ブレッドディップコージー」開発のきっかけになったという。

自社の発酵技術を使って開発に試行錯誤を繰り返した。「発酵はおいしく腐らせること。まずかったら、腐敗になってしまう。発酵にたどり着くまでが面白い」と開発した同社の加治翔太氏は話す。

今後は魚介類の発酵にも挑戦して、シリーズを展開していく予定だ。

みその味は家庭に根付いた味になっていることが多く、今使っているみそを新しいみそに変えてもらうことは難しい。

いきなりみそを変えてもらうことを狙うのではなく、同社のみそを試す機会にもつなげる。