クレカ決済の利用率減少が加速 QRコード決済、ポイント決済に分散【SBペイメントサービスがEC決済調査】

ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービスはこのほど、ECサイト(物販、デジタルコンテンツ)における決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施し、結果を公開した。よく利用する決済手段はクレジットカードだが、その利用率の減少は加速しており、QRコード決済、ポイント決済などに分散していることなどがわかった。

決済代行会社としてECサイトに必須の決済手段を数多く提供するSBペイメントサービスは、1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女2866人と、1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女2350人を対象に、2024年5月20日~6月6日に実施した「ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段に関する調査」の結果を公開した。2018年度、2020年度、2021年度、2022年度に続き、今回が5回目の公開となる。

ECサイトで物品、またはデジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段についてたずねた問い(複数回答)では、物品、デジタルコンテンツの双方で、男女ともに1位は「クレジットカード決済」(48%以上)、2位が「PayPay(オンライン決済)」(21%以上)となった。3位は性別によって異なり、男性は物販、デジタルコンテンツともに「楽天ペイ(オンライン決済)」(約14%)、女性は物販が「コンビニ決済」(12.1%)、デジタルコンテンツが「キャリア決済」(11.7%)という結果となった。

ECサイトで物品を購入する際、最も利用する決済手段についてたずねたところ、10代女性のみ「PayPay(オンライン決済)」(37%)が1位で、その他の年代、性別では「クレジットカード」が1位だった。「クレジットカード」と回答した割合は、10代男性が37.9%に対し、30代男性は52.9%、50代男性は75.2%のように、男女ともに年代が上がるごとに高くなる傾向にあることが分かった。また、男性20代以降では「楽天ペイ」も選ばれているのに対し、女性30代以外では「コンビニ決済」も選ばれており、男女で決済手段の利用動向が異なることが分かった。

デジタルコンテンツを購入する際、最も利用する決済手段についてたずねたところ、10代は男女ともに「PayPay(オンライン決済)」が28%以上と最も選ばれた。それ以外の年代では、男女ともに「クレジットカード」が1位で、年代が上がるごとにその割合が高くなる傾向があることがわかった。また、男性20~40代では「楽天ペイ(オンライン決済)」、男性10代と60代以上では「Google Pay」も選ばれているのに対し、女性20~50代では「キャリア決済」も選ばれており、デジタルコンテンツサイトとの親和性が高いことが分かった。

過去4回(2018年度、2020年度、2021年度、2022年度)、同様の調査を行った結果と比較したところ、「クレジットカード決済」を選択する割合が、2018年から2024年にかけて減少(物品購入約19.3%、デジタルコンテンツ購入は26.2%)しており、「コンビニ決済」も年々減少傾向にあることが分かった。

代わりに物品購入では「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「au Pay(ネット支払い)」「ポイント決済」「Amazon Pay」の割合が、デジタルコンテンツ購入では「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「Apple Pay」「Google Pay」「ポイント決済」の割合が伸びていることが分った。また、「キャリア決済」も根強い人気があることが読み取れた。

ECサイトで物品、またはデジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段がない場合どうするか尋ねたところ、物品、デジタルコンテンツどちらの購入時においても、55%以上と2022年度よりも多くの人が、そのECサイトでは購入せず離脱する傾向にあることが分かった。その内32%以上の人は、他のECサイトもしくは実店舗で購入する意向があることから、購買意欲が高い人も決済手段が要因で離脱しており、ユーザーのニーズに応じた決済手段を取り揃えることは、購買率を上げる重要な要素であると言るとの見解を示した。

ECサイトで物品もしくはデジタルコンテンツを購入する際、キャッシュレス決済にどういったサービスや機能があれば嬉しいかたずねたところ、物販、デジタルコンテンツともに「ポイント還元率が高い」「手数料がかからない」が1位、2位となり、支払い完了までの手間が少ないことや、支払いスピードが速いことよりも、金銭的なベネフィットをキャッシュレス決済に求める傾向が高いことが分かった。よりポイントの還元率が高く、チャージ時や分割払い時などに手数料なしで利用できるキャッシュレス決済が、今後選ばれていくでだろうことが予想されるとしている。