クリックテック・ジャパンは7月19日、AIを活用したデータ分析およびデータ統合の新製品に関する説明会を開催し、「Qlik Answers」の提供を発表した。

説明会には、Qlikの分析サービスに関連する製品エンジニアリングと研究開発、製品マーケティング、製品管理、製品主導の成長および製品管理チームを率いている、データ分析事業部ジェネラルマネージャーのブレンダン・グレイディ氏が登壇し、新製品である「Qlik Answers」の提供を発表した。

AIの台頭をきかっけに新しい方向性に舵を切るQlik

はじめにグレイディ氏は、同社が「AIの台頭をきっかけとして新しい方向に舵を切っている」として、事業戦略における現状を説明した。

「弊社は長らくBI(ビジネスインテリジェンス)ベンダーとして認識されてきましたが、データからエンドツーエンドのアナリティクスなどを扱う『AI企業』に舵を切っています。これを目的に、Talendの買収をはじめとして、Attunity、Mozaic Dataといった企業の買収も進めています」(グレイディ氏、以下同氏)

  • クリックテックの企業概要を説明するグレイディ氏

    クリックテックの企業概要を説明するグレイディ氏

このAI企業にシフトしていくにあたり、同社では「データ分析体験」「予測AIモデル構築」「分析におけるユーザー体験」という3つの柱を重視しているという。

データ分析体験の項目では、「ナビゲーションの改善」「レイアウトと視覚化」「AIを活用した開発」の3点に注力しており、予測AIモデルの構築では、時間のかかる作業を自動化する「自動モデリング」、誤ったモデルの選択からユーザーを保護する「推奨モデル」、ユーザーのデータモデルをワンクリックで分析する「組み込み分析」に取り組んでいるという。

これに加えて、分析におけるユーザー体験では、ビジネスアプリとの統合として「MS TeamsとQlik Insight Advisorが連携する」という内容を挙げているほか、生成AIや未来予測AIの活用にも注力していくことを説明している。

ナレッジアシスタントサービス「Qlik Answers」

今回、新たに発表された「Qlik Answers」は、非構造化データから生成AIが回答を作成するナレッジアシスタントサービスだ。

グレイディ氏いわく「非構造化データの時代が到来する」といい、「非構造化データを分析しやすくする鍵は生成AIにある」と説明した。

非構造化データとは、「構造定義されていないデータ」のことを指す。データベース化ができないため、検索や集計、解析に不向きなデータとされている。

「これまで多くの企業が非構造化データの活用を試みては失敗してきました。しかし、新しく登場してきた生成AIのテクニックを使うことができれば、非構造化データの可能性と価値を解き放つことができます」

実際に調査データを見てみると、世界のデータの80%は非構造データにも関わらず、非構造化データから価値を見出せていない組織の割合は70%という結果も出ており、生成AIを活用することで、この非構造データの価値を活かしていきたい考えだ。

  • 非構造データに関する調査

    非構造データに関する調査

そんな非構造化コンテンツから生成AI主導の答えを導き出すというQlik Answersは、「リアルタイムで、パーソナライズされた適切な回答をユーザーに通知」「信頼できる一貫した回答を、十分な説明可能性に基づいて提供」「すぐに使える統合型のセルフサービスソリューションを最大限に生かす」という機能を持っている。

グレイディ氏はQlik Answersの信頼性と一貫性や、リアルタイムに行われる情報提供などの特徴を活用することで「パーソナライズされた生成AIドリブンの回答を得ることができる」と説明した。

  • Qlik Answersのサービスの特徴

    Qlik Answersのサービスの特徴

なお、提供が開始される7月30日の時点では英語のみのサポートとなるが、2025年初めには日本語への対応も検討しているという。