アクセンチュアは7月18日、日本を含む15カ国、10業界の1148社におけるサプライチェーン成熟度に関する分析結果を公表した。次世代サプライチェーンを持つ企業は23%高い収益性を実現していることが明らかになった。

  • サプライチェーン におけるリーダー 企業は、より良い業績を実現

    サプライチェーン におけるリーダー 企業は、より良い業績を実現

サプライチェーンの成熟度とは、企業が生成AIや高度な機械学習といった先進テクノロジーをサプライチェーン全体で活用し、自律的な意思決定や高度なシミュレーション、継続的な改善につなげているかの度合いを数値化したもの。

最新調査によると、サプライチェーン成熟度の上位10%の企業(以下、リーダー企業)は2019年~2023年の期間、他社に比べ利益率が23%、株主還元率(リーダー企業8.5%に対し、その他企業7.4%)は15%、それぞれ高いことが明らかになった。

サプライチェーン全体でAIを実装している企業は、全体の9%(日本では15%)に過ぎないが、リーダー企業では37%がAIを活用している(リーダー企業以外のグローバル平均は6%)。リーダー企業はAIに多くの効果を期待しており、新製品の開発と発売にかかる時間を30%短縮できると回答したリーダー企業はその他の企業の8倍、より環境に優しい製品を開発できると回答したリーダー企業はその他の企業の8.5倍、製造に関わる資源の効率を30%向上できると回答したリーダー企業はその他の企業の6倍であったという。

一方で、サプライチェーンの成熟度は全体的にまだ低く、2019年から2023年までの間に平均スコアが50%以上上昇したものの平均値は36%にとどまっている。また、メキシコ22%から日本52%、消費財企業31%から航空宇宙・防衛企業40%のように、国や業界によって大きな差が見られたということだ。

  • サプライチェーンの成熟度は全体的に低い

    サプライチェーンの成熟度は全体的に低い

調査によると、企業が現在の市場環境で競争力を維持するにはこれらの機能は必須であり、安定した経済成長や地政学的なリスクのないグローバル化が期待できる時代ではなくなっている。また、従来の方法であるコストを抑えた調達や低コストな地域での工場運営に頼ることは現実的ではないと同社は指摘した。