出資や製品の統合など密な関係にある米Microsoft(マイクロソフト)と米OpenAIだが、取締役会のオブザーバーのポストを放棄するという。先にOpenAIとの提携を明らかにした米Apple(アップル)も、同様の決定を下した。
なぜオブザーバーを放棄したのか?
Microsoftは2023年11月、OpenAIの取締役に議決権のないオブザーバーとして加わることを発表していたが、今回OpenAIへの書簡で取締役会の座を辞退することを告げた。
これは即時有効だという。同じくOpenAIのオブザーバー就任が予想されていたAppleも、同様の決断をしているとのこと。こちらは、近い筋の話として報じており、Appleは正式なコメントを控えている。
OpenAIは6月に初の最高財務責任者(CFO)を起用しており、今後は「主要な戦略的パートナーとの情報交換とエンゲージのための新しいアプローチ」(OpenAIの広報担当)として、マイクロソフト、アップル、それにThrive Capitalなどの投資家と定期的に会合を持つという。
2社の動きは、大手テック企業によるAIスタートアップ企業との関係に対して、欧州連合(EU)や米国の当局の目が厳しくなっていることを受けてのものと見られる。
7月10日付で一連の流れを報道したFinancial Timesによると、米公正取引委員会(FTC)の関係者は「(オブザーバー辞退では)当局の懸念を払拭できない」とコメントしているという。