総務省、「ふるさと納税」でポイント付与する媒体掲載を禁止へ 基準の見直しで波紋

総務省は6月28日、ふるさと納税の制度を見直す内容の、告示の改正を行った。改正告示には、「寄付に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止する」旨を盛り込んでいる。2025年10月から適用するとしている。ポータルサイトのポイントを目的にふるさと納税を利用していたユーザーが減る可能性がある。

告示の改正に先立って開かれた記者会見で、松本剛明大臣は、「ふるさと納税については、返礼品目当てということではなく、寄付金の使い道や目的に着目して行われることが意義のあることと考えている」と発言した。

総務省によると、寄付に伴うポイントを付与するポータルサイトを、自治体が利用することを禁止するとしている。2025年10月までに、ポータルサイトがポイントの付与を行うのをやめた場合、引き続き利用できるとしている。

総務省では、「どのようなポータルサイトでも同じ料率でポイントが付与されるカード会社のポイントは、禁止の対象外だ」(市町村税務課)としている。

地方自治体のふるさと納税を支援する、ある中間事業者は、「楽天など、自社でカードを発行している一部のポータルサイトは、引き続き有利ではないか。今後は、配送や商品を軸とした勝負になる」(社長)と話す。

生鮮食品を返礼品として提供する、ある事業者は、「”ポイント”で集客していた自治体の集客の方向性が変わるのではないか。事業者は、商品力を強めていかないと厳しくなる」としている。

告示の改正を受けて、ポータルサイト大手の楽天グループは6月28日、告示の改正内容に反対する署名の受け付けを開始した。

三木谷浩史社長は、「総務省による今回のポイント付与禁止の告示は、民間原資のポイントまでも禁止し、地方自治体の民間の協力、連携体制を否定するものであり、各地域の自律的努力を無力化するものです」とコメントしている。