【ヒットの裏側】口臭ケア『ブレスマイルウォッシュ』が累計275万本販売 VOCから開発、「中に投資・外は工夫」

ヘアケア・スカルプケアのECを展開するソーシャルテックのマウスウォッシュ「ブレスマイルウォッシュ」は、2020年の発売以来、累計販売本数275万本を記録するヒット商品となっている。ソーシャルテックによると、「ブレスマイルウォッシュ」をはじめとする製品群は、自社のコールセンターに寄せられたVOC(顧客の声)をきっかけに開発することが多いという。寄せられた顧客の声に応じて「中身」のブラッシュアップに投資。容器などの「外側」については、自立型のパウチ容器を採用するなど、極力コストをかけずアイデアで工夫しているという。

<自社コールセンターに強いこだわり>

「ブレスマイルシリーズ」は、40代女性に人気の口臭ケアブランドだ。マウスウォッシュや歯磨き粉などを展開している。シリーズ累計で500万本を販売した実績があるという。「ブレスマイルウォッシュ」は、2022年9月にリニューアル。現在も新たなリニューアルに向けて開発を進めているところだという。

 

ソーシャルテックでは、自社内にコールセンター部門を設けており、約40人のオペレーターが、顧客からの問い合わせ対応を行っている。顧客とのやり取りは全て専用のシステムに入力する仕組みを導入して可視化している。商品開発やサービス向上につながる意見を、経営陣や各部署で共有できるようにしているという。

 

「会社の規模が大きくなるにつれて、コールセンターを外部に委託する割合も増えてきたが、自社内にコールセンターを必ず持ちたいという思いは強く持っている。会社の移転を行う際に、コールセンター部署を別の場所に移すという案もあったが、トップの強い意志で、マーケティングなど他の部署と同じフロアにコールセンター部門を設置するようにした」(秋山大介専務取締役)と話す。

 

「ブレスマイルウォッシュ」のリニューアルに際しては、「歯を白くしたい」という、顧客の声を反映し、ブラッシングによる、たばこのヤニの除去につながる有効成分「ポリエチレングリコール」を追加したという。歯のホワイトニングにつながる新技術「ネオシャイニングシステム」も採用した。10種類の成分を高圧ナノテクノロジーでカプセル化しており、成分が歯の凹凸や細かな隙間に入り込む。ブラッシングによるホワイトニングを効果的に行うことができるとしている。

<自立型の容器を工夫>

ソーシャルテックでは、効果実感の高い製品を手頃な価格で提供できるよう、専用の容器の開発も行っている。マウスウォッシュのEC市場では、1回分を小分けにして販売するケースが多い。そんな中、ソーシャルテックでは、小分けにすることでコストが高まるのを避けるため、使いやすい一つの容器の開発に取り組んだ。

 

低コストで送れるよう、パウチの容器を採用。「注ぎやすさ」を追求したという。顧客が洗面所に置いておけるよう、自立できるパウチ容器にしたという。

 

「お客さまの効果実感が高まるよう、中身にお金をかけた。それ以外の部分はアイデアで解決できるように工夫している」(同)と話している。