The Registerはこのほど、「Nearly 20% of SQL Servers running have passed end of support」において、現在稼働している100万件以上のMicrosoft SQL Serverのうち、約20%がすでにサポート期限が過ぎたバージョンであるという調査結果を伝えた。全体の12%は2024年7月9日に延長サポートが終了するSQL Server 2014であり、このままであればサポートが終了したインスタンスは全体の約32%になる計算だという。

7月9日にはサポート期限切れSQLの割合が約32%に

本稿執筆時点でサポート有効期間内にあるSQL Serverには、SQL Server 2014、2016、2017、2019、そして2022がある。SQL Server 2008から2022までのそれぞれのサポート終了日は以下のとおり。

バージョン リリース日 メインストリームサポート終了日 延長サポート終了日
SQL Server 2005 2006年1月14日 2011年4月12日 2016年4月12日
SQL Server 2008 2008年11月6日 2014年7月8日 2019年7月9日
SQL Server 2012 2012年5月20日 2017年7月11日 2022年7月12日
SQL Server 2014 2014年6月5日 2019年7月9日 2024年7月9日
SQL Server 2016 2016年6月1日 2021年7月13日 2026年7月14日
SQL Server 2017 2017年9月29日 2022年10月11日 2027年10月12日
SQL Server 2019 2019年11月4日 2025年2月28日 2030年1月8日
SQL Server 2022 2022年11月16日 2028年1月11日 2033年1月11日

The Registerが報じた調査結果は、IT資産管理プラットフォームを提供しているLansweeper社が公開したもの。同社はインターネット上に公開されているSQL Serverのインスタンスを100万件以上スキャンし、そのバージョンを調査したという。その結果、対象のインスタンスのうちの19.8%が、すでにサポートが終了しているSQL Server 2012以前のバージョンであることが判明した。これらのバージョンはすでにセキュリティ更新を含むすべてのアップデートの提供が終了しているため、極めて危険な状態に置かれていることになる。

  • 稼働しているSQL Serverインスタンスのバージョン別割合 出典:Lansweeper

    稼働しているSQL Serverインスタンスのバージョン別割合 出典:Lansweeper

全体の12%を占めているSQL Server 2014は延長サポートの期間内だが、その期間はあと数週間で終了する。

サポート期間終了後のオプション

延長サポート終了後は、拡張セキュリティ更新プログラムのサブスクリプションを購入することで、今後3年間はセキュリティ更新を受け取ることが可能。ただし、受け取れるのはあくまでも影響度がクリティカルと評価された脆弱性に対する修正だけで、新機能や機能更新を含めた機能修正は提供されない。

なお、SQL Server 2012は2022年7月12日に延長サポートが終了しており、現在は拡張セキュリティ更新プログラムの提供期間内にある。SQL Server 2008以前のバージョンでは、すでに拡張セキュリティ更新プログラムの提供も終了している。

Lansweeperによる調査において、最もよく使われているバージョンはSQL Server 2019で全体の44%を占め、次いでSQL Server 2017が13.5%だった。最新版のSQL Server 2022はわずか0.34%だった。

MicrosoftはSQL Serverのサポート終了後のオプションとして、新しいバージョンにアップグレードするほか、ワークロードをAzure SQLに移行することを提示している。または、ワークロードをAzure 仮想マシンに移行することで、無料で拡張セキュリティ更新プログラムを受け取れるというオプションもある。詳細は次のサポートページにまとめられている。