【経営危機から再成長】インターナショナルシューズ、老舗メーカーが自社ブランド開発 広告費使わずに売上拡大

レザースニーカーブランド「brightway(ブライトウェイ)」を展開するインターナショナルシューズは、2020年3月に応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を活用してから、毎年右肩上がりで「brightway」の売り上げが伸びている。ウェブ広告やインフルエンサーマーケティングは実施していない。「brightway」の成長理由には中小企業の参考になる点がある。

インターナショナルシューズは古くから大阪でレディースの革靴の製造やOEM事業を展開してきた老舗企業。2016年夏、取引先企業の2社のうち1社が民事再生を受け、その影響で同社のOEMの売上高が減少した。

 

「OEMの売り上げの65%がゼロになってしまった。その後、スーツケースに靴をパンパンに詰めて、東京に営業に行った。だが、良い答えはもらえなかった。もう多くの企業が靴の製造は海外で行っていた。そのため、OEMではなく、自社ブランドを立ち上げ、ECサイトなどで販売することの重要性を感じた」(上田誠一郎専務取締役)と振り返る。

 

2017年、レディースブランドを設立。だが、”売り方””ブランディング””集客方法”などが分からず苦戦したという。

その後、大阪府が中小企業を支援する「大阪商品計画」を活用し、新商品の開発に注力した。「大阪商品計画」はデザイナーと企業がタッグを組み、新商品を開発し、ギフトショーで披露するというもの(当時)。

「今回もレディースを作ろうと思ったが、いろいろな人からアドバイスをもらったりする中で、自分が本当に欲しいと思える商品を開発しようと思った。当時は、世の中にシンプルでロゴが入っていないメンズのレザースニーカーがあまりなかったので、この商品を作れば世界で一番になれると思った。ランニングシューズ以上冠婚葬祭未満のレザースニーカーを作ることにした」(同)と話す。

「brightway」は2020年3月、「Makuake」で商品を販売した。世の中にない希少性と機能性の高さから目標金額の1428%となる428万円の応援購入総額を達成した。

「Makuake」を見たバイヤーから「商品を仕入れたい」「興味がある」などの声が寄せられたという。さらに阪急メンズ館でのポップアップの開催にもつながり、堅実に顧客数が増加した。

 

クラウドファンディングを活用し、顧客とつながり、そこで得た実績を営業資料として、店舗への卸などに生かす。現在は自社ECサイトのほか、店舗運営、セレクトショップへの卸なども展開している。

「brightway」は今後、日本のほか海外にも積極的に進出していく計画だ。

 

「海外でもクラウドファンディングを利用して、そこで得たデータを生かすことで、卸先の開拓につなげたい。さらにディベロッパーにポップアップを開催してほしいなどの問い合わせにもつなげたい。toCの知見をtoBに生かしていく。海外での成功は大きく狙うのではなく、1ヵ国で1000万円の売り上げを数カ国で作っていくイメージだ」(同)と話す。

日本では、「Makuake」を活用しながら、ECサイト、店舗、卸の運営に注力していく。工場ツアーやテキスタイルメーカー・アーティストとコラボレーションした商品を開発していく。