東芝は6月18日、物体を操作したり、人とコミュニケーションをとり物理的な作業を支援したりする「エンボディドAI」の実現に向け、今後5年間で約30億円を投資すると発表した。
エンボディドAIは、身体性を持つエージェントベースのAIシステム。生成AIの先の技術の一つとして、現実世界の課題に対処するために不可欠と考えられている。従来、効果的なAIの活用が難しかった、物流や小売りの現場における自動化や危険や困難を伴う保守点検現場での作業支援などの実現につながることが期待されているという。
東芝はエンボディドAIをイギリス東部にあるケンブリッジ研究所で開発している。2027年にエンボディドAIの最初の産業用プロトタイプを発表する予定だ。
近年、ChatGPTなどに代表される生成AIが急速に発展し、対話的なコミュニケーションが可能なAIが身近な存在になっている。一方で、こうしたAIは、現在はサイバー空間上での活用に留まっており、物流・流通・製造・保守の現場など、実際に動作が生じる物理的な領域における効果的な導入は進んでいないのが実態だと同社は指摘している。