【2027年の上場目指す】ビィ・フォアード 山川博功社長「中古車の越境ECで売上1300億円に」

中古自動車や自動車用品の越境ECなどを展開するビィ・フォアードが急成長を続けている。2023年6月期の売上高は、前期比33.0%増の1084億3000万円だった。2024年6月期は、1300億円超の着地見込みとなっており、3年連続の大幅増収となる見通しだ。現在は2027年の上場を目指し、バックオフィスの強化に注力しているという。仕入れや販売価格、コストといった細かいデータ管理を行い、データをもとに日々仕組みの改善を進めているという。同社の主力となる事業は、中古自動車の越境ECだ。近年は、自社で仕入れた中古車の販売だけでなく、中古自動車の越境プラットフォーム事業の拡大にも注力しているという。同社では、豊富な、海外販路と流通網を生かし、他社製品を海外輸送する支援事業も展開している。米国やアジアだけでなく、アフリカにも販路を持つ同社の流通網には、今後注目が集まってくるだろう。今後の事業展開について、山川博功社長に話を聞いた。

――売り上げ好調の要因について教えてください。

現在の進捗だと、2024年6月期の売り上げは1300億円を超える見通しです。前期比だと20%近い増収となります。

 

世界的に見ても、中古自動車の販売はオフラインが主流です。アナログなやり方が多いのが現状です。オンラインでシステム的にやっている企業はほとんどないでしょう。

 

当社のシステムと同じように、全世界への販売を、日々のオペレーションにつなげていくのは、容易ではないはずです。それに加え、世界200以上の国と地域という幅広い販路を持っています。他社にはまねできない販売システムと、幅広い販路という強みが、成長につながっていると考えています。

――どのようなシステムなのですか?

システムには、仕入れの価格や車種、販売価格、販売期間、出港までの時間、利益、コストまで、販売に関するほぼすべてのデータを蓄積しています。日々のデータをもとに、改善を行う体制を整えており、「どれだけ仕組みを作れるか」という点を意識しています。

 

中古車の仕入れや、価格設定など、経験がないと難しい業務もすべてシステム化しているため、メンバーの入れ替わりなどがあっても、すぐ対応できる体制となっています。

<高い従業員満足も>

徹底した管理による仕組みづくりを徹底しているので、少人数でも高い売り上げを達成することができています。その結果、高い利益を捻出できています。

 

2023年は、月給5カ月分のボーナスを2回出すことができました。高い給料やボーナスは、従業員のモチベーションにもつながってくると考えています。

 

これまで当社の従業員は、マーケッターが中心でした。現在は、上場に向けコンプライアンスの強化など、体制づくりに取り組んでおり、経理や総務といったバックオフィスの人数が増えてきています。

――採用のために意識していることはありますか?

2027年の上場を目指し、新卒採用にも本腰を入れていこうと考えています。まずは応募者募集を増やすため、「ビィ・フォアード」という会社を知ってもらいたいと思っています。そのため2023年12月から、ティックトックでの発信を始めました。発信は私自身が行っています。

 

単に会社紹介をするだけでなく、ビジネス論を展開するなど、若者に役立つ発信を意識しています。4月は1カ月で16本の動画を配信しました。

 

社長自身の露出を増やしたり、普段は見られないバックヤードなどを、メディアで紹介したりするのは、採用において重要なことだと考えています。海外への販売が主で、日本での知名度が低いからこそ、企業のアピールを行うことが必要だと感じています。

 

SNSは今や、国内外で必要不可欠なアイテムです。当社では、海外のユーザー向けにフェイスブックでの情報発信をしており、フォロワーは全世界で110万人となっています。海外だと、フェイスブックで「車をください」とメッセージが届き、販売が成立することもあります。グローバルなサイトを運営する上で、いかに顧客とコミュニケーションをとるのか。その手段の1つがSNSだと思います。

<国と地域に合わせた戦略を>

――今後の展開について教えてください。

当社の強みは、ECで一般顧客向けに販売ができる点です。海外に中古自動車を輸出している企業の多くは、BtoBで販売しています。現在、当社では200以上の国と地域に販売していますが、BtoBでしか販売できていない地域もあります。そういった地域でも、BtoCでの販売を行えるようにしていきたいと考えています。

 

海外輸送の支援事業についても、強化していく方針です。当社では、個人や企業が海外に物を送れる、「ポチロジ」というサービスを提供しています。

 

海外輸送の需要は、個人・法人問わず、今後ますます増えていくと考えています。サービスのクオリティーを高め、「気軽に海外に物を送れる」という状態を、当社が作り上げていけたらと思います。

■ビィ・フォワード

https://corporate.beforward.jp/company/

■「ポチロジ」

https://corporate.beforward.jp/pochilogi