年次カンファレンス「.conf24」を開催中の米Splunkは6月12日(現地時間)、同社の製品を導入するニュージャージー工科大学が、入学希望者や在校生のデータをシームレスに統合し、戦略的に入学者数を伸ばしている事例を発表した。

  • 米Splunkは6月11日~14日までの4日間、米国ラスベガスでユーザー向けの年次カンファレンス「Splunk .conf24」を開催している

    米Splunkは6月11日~14日までの4日間、米国ラスベガスでユーザー向けの年次カンファレンス「Splunk .conf24」を開催している

オブザーバビリティで学生の情報を可視化

1万3000人以上の学生を抱えるニュージャージー工科大学は、インフラ全体のデジタルレジリエンスを構築している。同大学のITチームは、インフラ監視やアプリケーションパフォーマンス管理、ログ調査などの機能を備えるオブザーバービリティ(可観測性)製品「Splunk Observability Cloud」を活用し、キャンパスのインフラ全体でアクティビティを監視し、システムダウンの防止や脅威の検出、対応の改善につなげている。学生が混乱する事態を未然に防ぎ、長期的な影響が現れる前に問題に対処しているとのこと。

また、学内のイベントや授業、インフラに関連したさまざまなデータストリームをシームレスに統合し、キャンパス全体のセキュリティを物理面とデジタル面の両方で強化している。授業への出席率の向上など、重要な目標に対する学生や大学の進捗度も効果的に監視し、大学運営の戦略的アプローチにつなげている。ここ数年で入学者数は28%増えたという。

  • ニュージャージー工科大学は、Splunkの製品を導入しインフラ全体のデジタルレジリエンスを構築している 提供:ニュージャージー工科大学

学生主体のSOCで米国のサイバーセキュリティ戦略貢献へ

さらに同大学では、学生主体のセキュリティオペレーションセンター(SOC)構想にSplunkの製品を導入。学生主体のSOCを立ち上げ、関連学部と連携してSplunkのトレーニングを行い、フィッシングやソーシャルエンジニアリング攻撃といったサイバーセキュリティに学生自らが対処している。学生にスキルアップの機会を提供することで、米国のサイバーセキュリティ戦略にも貢献しているとのこと。サイバーセキュリティの専門知識を通じて今後10年間で数百人の学生を支援していく考えだ。

ニュージャージー工科大学 最高情報責任者(CIO)であるエド・ウォゼンクロフト氏は「学生がコミュニティの優れた一員となり、論理的思考力を高めながら技術革新の進展に貢献できるようにするためのプログラムを開発している。Splunkを活用したことで、データとリアルタイムのインサイトを有効活用し、学生の成功を再定義する方法が見つかった」とコメントする。

また、Splunk SLED(State, Local Government and Education)担当グループバイスプレジデント(GVP)のメアリー・ルー・プレヴォスト氏は「大学はデータの宝庫でありながら、システムやアプリケーションが多すぎて豊富な情報にアクセスする方法が十分に知られていない。ニュージャージー工科大学の取り組みはすべての大学で役立つ素晴らしいユースケースになる。引き続きこの取り組みをサポートしていきたい」とコメントしている。