タニウムは6月11日、年次イベント「Tanium Converge Tokyo2024」を開催した。基調講演には、米国本社最高経営責任者のダン・ストリートマン氏、最高マーケティング責任者のスティーブ・ダヒーブ氏が登壇し、同社の最新の戦略である「自律型エンドポイント管理(AEM)」について説明した。

同社は昨年の年次イベントで、AEMプラットフォームのロードマップを発表した。。AEMは、リアルタイムの制御と可視化により、単一のプラットフォーム上でIT運用チームとセキュリティチームを統合するコンバージド・エンドポイント管理プラットフォーム「Tanium XEM」の機能に基づいて構築されている。

セキュリティとIT運用を統合する新しいアプローチを提供

ストリートマン氏は、「年々、イノベーションのスピードが上がっているが、今後はAIによってイノベーションのスピードとスケールが拡大することが予想される。この状況は大きなチャレンジだが、チャンスもある」と語った。

  • 米タニウム 最高経営責任者 ダン・ストリートマン氏

こうした状況の中、企業ではセキュリティのポイントソリューションの利用が広がっており、その結果、 複雑性とリスクが増しているという。さらに、攻撃者がAIを悪用して、巧妙かつスケールが大きな攻撃が行えるようになっている。

サイバー攻撃は今後、とどまることはなく、企業は少ないコストで自社を守らなければいけない。ストリートマン氏は、「攻撃者は一度成功すればよいが、われわれ防御側は毎回成功しなければならない」と、防御側の厳しさを強調した。

そこで、必要となるのが新しいアプローチだという。同社は新しいアプローチとして、コンバージド・エンドポイント管理プラットフォーム「Tanium XEM」を提供している。ストリートマン氏は、同製品の特徴について、「可視化 制御 是正 3つの機能を単一のプラットフォームで提供すること。われわれはどのベンダーよりも高速かつスケーラブルに対応できる。業界唯一のテクノロジーを持っている」と語った。

AEMで増え行く脅威に少ないコストで対処する

さらに、ストリートマン氏は「任意の時点におけるリスクの状況を把握できるデータはあるか」と疑問を投げかけた。セキュリティの世界では、リアルタイムのコンテキストが必要であり、それに応じてリアルタイムで行動できるようにすることが重要だという。

「Tanium XEM」について、「もともと、AIや自動化の基盤にするという目的もあった」と述べた上で、ストリートマン氏は、「AIベースの自動化によって確実性を提供する」と説明した。

そして昨今、脅威のコストが増えていく中、企業では予算がついていかないことから、AEMによってより少ない予算で結果を出すという。それには、パートナーシップが重要であり、パートナーシップからこれまでになかった効率性がよい製品を提供できると説明した。

「リアルタイム」「シームレス」「自律型」がカギ

続いて、ダヒーブ氏が、二刀流になぞらえてセキュリティとIT運用の統合について説明した。

  • 米タニウム 最高マーケティング責任者のスティーブ・ダヒーブ氏

ダヒーブ氏は、「毎日のようにセキュリティインシデントが起きているが、これにはアプローチに原因がある。多くの企業で複数のポイントソリューションを活用して、データを統合して分析しているが、そのデータが『古い』『不正確』であるため、大きな問題を生んでいる。リアルタイム性が重要だ」と語った。

同社はリアルタイムで可視化を実現するソリューションを提供することで、こうした課題を解決しようとしている。「われわれはゼロからソリューションを作り出しており、イノベーションを実践している。明日のモノを今提供している」(ダヒーブ氏)

そして、ダヒーブ氏は宮本武蔵の兵法「二天一流」を例に挙げ、「われわれがまさに実践していること」と紹介した。この兵法は、大小二刀を基本とするいわば「二刀流」だ。

「われわれはITの運用とセキュリティという2つの刀を使いこなしており、防御と攻撃をカバーしている」(ダヒーブ氏)

加えてダヒーブ氏は、投手と打者をこなす大谷翔平選手を引き大に出し、「現代のマスターが宮本武蔵の原則に基づいて戦っている。タニウムも同様に、管理とセキュリティ、攻撃と防御をサイバーハイジーンとして提供していく」と話した。

ダヒーブ氏は、同社のソリューションの差別化のポイントとして、「リアルタイム」「シームレス」「自律型」を挙げた。

「自律化」としては、「一般的なタスクを自動化して時間を抑えてコンプライアンスに対応」「ユーザーが問題に対応することで、ヘルプデスクの負担や業務の中断を軽減」「ゼロデイ脆弱性の影響とその修復オプションを提示」といったことを実現する。

さらに、ダヒーブ氏は「自律型イノベーションにおいては、敵を知り、その武器を知ることが大事。恐れず、ためらわず、驚かず、疑わずにイノベーションにまい進することが重要」と力強く語っていた。