人気や印象はトレンドともに変化する。AxiosとHarris Pollが共同で行ったレピュテーション(評判)ランキングの最新版では、「NVIDIA」が初登場で堂々の1位に輝いた。一方で、ソーシャルサービスの代名詞として2010年代前半に時代を席巻したX(旧Twitter)、「Facebook」「Instagram」などを擁するMetaは、それぞれ99位、97位となった。

NVIDIAの評価とは?

この調査は、Harris Pollの調査フレームワークを用い、米国で約6300人を対象に行った。調査期間は3段階に分かれており、最初は2024年1月16日から11日間。まず評判が良いと思う企業2社、悪いと思う企業2社を挙げてもらい、100社に絞った。

その後、2回目の調査で、100社のうち「よく/ある程度知っている」2社について、レピュテーションを9つのカテゴリで評価してもらい、「Reputational Quotient(RQ)」スコアを算出。

各企業のスコアは、Harris Pollのサンプル325人をベースに、米国の一般市民を代表するよう重み付けした。3回目の調査でブランドと政治に関連するトピックについての質問を行い、最終的にランクを付けた。

トップはNVIDIA、RQスコアは81.2だった。カテゴリ別では「方向性」「カルチャー」「ビジョン」「成長性」で1位、「製品とサービス」で2位だった。最も低かったのは「倫理」で10位。

「ほとんどの消費者はNVIDIAの製品に直接触れて使うことはなく、具体的に何をするのか理解していない。それにも関わらず、あるいはだからこそ、NVIDIAは表舞台に登場した」とAxiosは評している。

2位以下の企業

2位以下の上位10位は「3M」「Fidelity Investments」「SONY」「Adidas」「USAA」「Honda Motor Company」「Patagonia」「Apple」「Samsung」となり、うち8位のPatagoniaと10位のSamsungのみ、前回から順位を下げた。

SONYは「方向性」「信頼性」「製品とサービス」で4位、「ビジョン」が6位となり、前回から8ランクアップした。Hondaは「成長性」(4位)、「ビジョン」(5位)などが評価され、前回から6ランク順位を上げた。

Appleは「ビジョン」「方向性」「製品とサービス」の3つで2位となったが、「シチズンシップ」(56位)や「特徴」(36位)、「倫理」「信頼性」(ともに35位)などが足を引っ張った格好だ。

テック企業では、17位に「Google」(Alphabet)、18位に「Microsoft」、20位に「IBM」、32位に「Dell」、68位に「OpenAI」が入った。なお、OpenAIは初登場となった。

日本の自動車メーカーは7位のHondaのほか、「Toyota Motor Corporation」が12位、「Subaru」が15位にランクイン、自動車セグメントで上位3を占めた。自動車セグメントの4位は「General Motors」(40位)、「Tesla Motors」は63位となった。

99位となったX(RQスコアは58.8)は、「文化」「成長性」が99位となるなど、9つあるカテゴリすべてで96~99位となり、前回から1ランク下げた。97位のMeta(RQスコア59.6)も前回から1ランクダウン、99位となった「信頼性」「特徴」など9カテゴリすべての順位が94~99位となった。

Axiosでは、Xの企業価値は約125億ドルとなり、Twitter時代から71.5%下がったことに触れながら「ソーシャルメディア企業は、投資家に対する価値と社会的評価の両方で、この1年で他の大手テック企業に遅れをとっている」と記している。

なお、米国で禁止に向けた動きのある「TikTok」は95位、前回から1ランクダウンしている。89位となった「成長性」以外、8つのカテゴリで90位代となっている。この分野では先にIPOしたRedditが90位で初登場している。