三井物産 アパレル大手のビギHDを完全子会社化 経営・DXのノウハウで成長促進

三井物産は6月3日、「Papas(パパス)」「martinique(マルティニーク)」「MOGA(モガ)」「MENS BIGI(メンズビギ)」など国内有力アパレルブランドを展開するビギホールディングス(HD)を完全子会社化したと発表した。ビギHDが強みとする創造力、販路や顧客基盤に、三井物産が有する業界横断的な連携、経営・DXのノウハウや国内外のネットワークといった総合力をかけ合わせることで、ビギHDのさらなる成長を目指す。

三井物産は、2018年にビギホールディングスへ33.4%出資参画し、EC事業の強化や、「PINK HOUSE(ピンクハウス)」をはじめとするブランドの海外展開支援、英国老舗ニットブランド「JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)」の導入など、ビギホールディングスの企業価値向上に貢献してきた。

▲JOHN SMEDLEY

このほど、主要事業であるアパレル事業のさらなる成長と、ファッション雑貨など周辺事業への拡張を図るため、MSD企業投資が運営するMSD第一号投資事業有限責任組合が保有していたビギHDの株式66.6%を取得。持株比率を100%にし、完全子会社化した。

ビギHDは1970年の創業以来、アパレル事業にとどまらず、豊かな創造力で多様なブランドを世に送り出してきた。半世紀超の歴史の中で、日本全国でさまざまな販路を開拓し、傘下の約40のブランドを通じて幅広い消費者の「世界観」に彩りを添えてきた。

▲ビギHDのブランド店舗(Papas、martinique、JOHN SMEDLEY、MOGA)

昨今、SNSの普及などにより、個人が自身の考えやライフスタイルを「世界観」として発信する消費者行動が加速。1人ひとりの個性がより尊重されるようになってきているとし、ビギHDが強みとする創造力、販路や顧客基盤に、三井物産が有する業界横断的な連携、経営・DXのノウハウや国内外のネットワークといった総合力をかけ合わせることで、ビギHDのライフスタイル事業者としてのさらなる成長を目指すとしている。

三井物産は、中期経営計画2026において「Wellness Ecosystem Creation」を攻め筋の1つと定め、多様化する消費者のライフスタイルの質向上への貢献を目指している。今回の子会社化により、アジアを中心としたグローバル市場において、ファッションをはじめとするライフスタイル事業を通じたウェルビーイングの向上を通じ、人々のより豊かで輝く暮らしの実現を目指す考えを示した。