Microsoftは2024年5月29日にWindows 11 バージョン22H2および23H2向けにセキュリティ以外のプレビュー更新プログラム「KB5037853」をリリースしたが、この更新プログラムのインストール後に、タスクバーが正常に動作しなくなったり、クラッシュしたりする問題が発生しているそうだ。MicrosoftはKB5037853のリリースノートを更新し、「既知の問題」セクションにこの問題の回避策を掲載した。元の問題はすでに既知の問題のロールバック(KIR)機能で解消されているが、各デバイスに自動的に反映されるまでに最大24時間かかる場合があるという。

  • KB5037853の「Known issues in this update(既知の問題)」セクション

    KB5037853の「Known issues in this update(既知の問題)」セクション

プレビュー更新プログラム「KB5037853」とは

KB5037853はWindows 11 バージョン22H2および23H2向けにリリースされたセキュリティ修正を含まないプレビュー更新プログラムである。これは6月第2週に正式リリースされる更新プログラムのプレビュー版であり、多くの新機能や既知の問題の修正を含んでいる。

なお、この更新プログラムはオプションであり自動更新の対象にはなっていないため、適用するにはWindows Updateから手動でインストールする必要がある(関連記事:Windows 11向けプレビュー更新プログラム「KB5037853」リリース | TECH+(テックプラス))。

発生している問題と回避策

Microsoftによると、更新プログラム「KB5037853」を適用したWindows 11 バージョン22H2または23H2において、タスクバーが一時的に不具合を起こしたり、応答しなくなったり、表示されなくなったり、または自動的に再表示されたりするなどの現象が発生する可能性があるという。そして、この問題が発生した場合、Windows ログにはアプリケーション エラー「Event ID 1000」として記録され、障害のあるアプリケーション名として「Explorer.EXE」が、障害のあるモジュール名として「Taskbar.View.dll」がリストされる可能性があるとのこと。

Microsoftは、KB5037853のこの問題に対して「既知の問題のロールバック (KIR: Known Isuue Rollback)」を適用したこともアナウンスしている。既知の問題のロールバックは、セキュリティ以外の問題に対して、影響を受けたデバイスを元の状態に戻すための仕組みである。更新プログラム全体をアンインストールするのではなく、問題の原因となった部分だけを修正する。

Homeエディション、Proエディション、または管理されていないビジネス デバイスの場合、KIRは自動的に適用されるが、各デバイスに反映されるまでに最大24時間かかる場合があるとのこと。Windowsデバイスを再起動することで、素早く更新を受け取れる可能性がある。

管理デバイスでこの問題を解決するには、Windows管理者がKIRグループ ポリシーをインストールして構成する必要がある。グループポリシーファイルのダウンロードと適用方法は、KB5037853のリリースノートの「既知の問題」セクションに記載されている。本稿執筆時点では日本語版のリリースノートにはまだ反映されていないが、いつも通りであれば間もなく反映されるはずである。