富士通は5月23日、ビジネスと社会の未来ビジョンを提言する「Fujitsu Technology and Service Vision 2024」を策定し発行したことを発表した。この提言においては、AIを中心としたテクノロジーを駆使して環境や経済、ウェルビーイングにおいて、より大きな価値を提供し続ける新たな企業の形「Regenerative enterprise(再生型企業)」へと変革するための、具体的なアクションを示している。

目指すべき企業像:「Regenerative enterprise(再生型企業)」

ビジネスを取り巻く環境は不確実性を増し、インフレーションや地政学的緊張、気候変動、経済格差といった問題が経営に影響を与えている。また、AIの急激な進化への向き合い方が今後の経営を左右するようになりつつある。

こうした状況の中で、AIを中心とするテクノロジーを駆使してネットポジティブな価値を生み出す新しい企業の形が、富士通が考える「Regenerative enterprise(再生型企業)」だという。同社は地球環境や人々のウェルビーイングの向上に取り組みつつ、ビジネスの生産性を高め、持続的な成長の実現を目指すとしている。

  • テクノロジーを活用してネットポジティブな再生型価値を創出

    テクノロジーを活用してネットポジティブな再生型価値を創出

テクノロジービジョン:テクノロジーを活用し、環境、経済、ウェルビーイングへの価値を創出する再生型企業

同社は「Regenerative enterprise(再生型企業)」について、テクノロジーを企業活動のあらゆる領域に適用してネットポジティブな価値を生み出す、4つの特徴を挙げている。

誰が価値を生み出すのか

人とそのバディとなったAIが価値創造の中心になる。人の知識と経験をベースにした価値創造スタイルから、人とAIが協調しながら価値を生み出すスタイルへと変化する。

何の価値を生み出すのか

AIとコンピューティングの進化によって、さまざまな業種でデータをAIで解析できるようになる。そして、複雑な環境や社会課題に取り組むことで、ネットポジティブな価値を創出していく。

どのように価値を生み出すのか

現場組織のデータの可視化とAIによる意思決定支援によって、現場の人が迅速に判断して行動できる仕組みを構築し、柔軟かつスピーディーに、環境変化に対応できるようになる。

どこで価値を生み出すのか

セキュリティ技術とネットワーク技術によって、パートナー企業や行政、研究機関などのさまざまなステークホルダーが、リアルとデジタルの領域が融合した世界でつながり、複雑かつ困難な社会課題に取り組めるようになる。

変革に向けたアクション:テクノロジーを活用して企業を変革し、サステナビリティの課題を解決

テクノロジーを企業活動のあらゆる領域に適用する「Regenerative enterprise(再生型企業)」への変革は長期的な取り組みとなる。富士通はサステナビリティ・トランスフォーメーションのパートナーとして、気候変動、労働人口減少、健康寿命の延伸といった環境問題や社会課題に取り組む企業の変革を支援するとのことだ。