NTTe-Sportsは5月22日、学校の授業や企業研修などで利用可能なeスポーツの教科書「eスポーツ学習 ビジネス基礎」および「eスポーツ学習 コミュニケーション基礎」の販売を開始することを発表した。

専門学校におけるeスポーツ関連講義での利用のほか、大学におけるeスポーツ関連のゼミ、研究室、講義でのテキストとしての利用、高校におけるeスポーツ部活動や探求学習におけるeスポーツ業界研究の参考書として利用が可能だ。また、eスポーツ関連企業における新入社員研修教材としても使えるという。

eスポーツ学習 ビジネス基礎

eスポーツ学習 ビジネス基礎では、eスポーツに関するビジネスの構造や、中でも代表的な「大会運営」や「配信」などの具体的な手法を学ぶ。昨今重要性が増しているeスポーツビジネスを取り巻く法制度についても、弁護士監修の元で解説している。

  • eスポーツ学習 ビジネス基礎

    「eスポーツ学習 ビジネス基礎」

eスポーツ学習 コミュニケーション基礎

eスポーツ学習 コミュニケーション基礎では、eスポーツ業界で活躍するための社会人スキルを、コミュニケーションを中心に学ぶ。プロゲーマーについての職業理解、eスポーツのチームマネジメントやチームビルディング、ビジネスマンとして必要なコミュニケーションであるロジカルシンキングやプレゼンテーションなどを学ぶ。

  • eスポーツ学習 コミュニケーション基礎

    「eスポーツ学習 コミュニケーション基礎」

教科書作成の背景

昨今人気が高まっているeスポーツは、複数のプレーヤーとチームを組んで戦うため、勝利を目指す過程で「戦略性」「チームワーク」「リーダーシップ」が身に付き、競技を通じて相手を尊重する心が育まれるとして、授業や部活動に取り入れる学校が増えているという。

また、eスポーツを一つの産業として学ぶことで、マーケティングなど社会で役立つ能力の習得や、自身の将来を考えるきっかけにもつながるとNTTe-Sportsは考え、同社は教育現場への導入支援にも注力する。

eスポーツは市場の発展に伴い、学ぶべき内容が「職業や産業の理解」「大会・イベントの運営方法」といったeスポーツ中心の内容にとどまらず、「情報リテラシー」「コンプライアンス」「法制度の理解を含むリスクマネジメント」などさまざまな領域にも広がっている。

一方で、eスポーツ関連の授業ではその内容が担当する先生に任せられているケースが多く、準備の負担から安定かつ継続的な運用には課題があった。さらに今後は従来の経験や知識でカバーできない範囲が増え、学校や先生への負担増加も懸念される。

これに対し同社は、将来eスポーツ業界で活躍できる人材育成のサポートや、eスポーツを入口とした学びの実現を目的として、eスポーツの教科書の販売を開始するとのことだ。