米ServiceNowと富士通は5月7日(米国時間)、ServiceNowのデジタルビジネス向けプラットフォームと富士通が「Fujitsu Uvance」として展開する各オファリングの提供に向けた新たな戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。両社は2024年後半に開設予定の「Fujitsu-ServiceNow Innovation Center」を通じて、グローバル規模で顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)およびカスタマーサクセスに注力するとのことだ。
両社は今回のパートナーシップにおいて、サイロ化した業務システムやアプリケーション、複雑なビジネスプロセスを合理化するための自動化を推進する。まずは製造分野に向けて、エンジニアリングチェーンマネジメント(ECM)とサプライチェーンマネジメント(SCM)の業務全体を管理し業務データの連携や業務プロセスを統合するプラットフォームを、「Fujitsu Uvance」のオファリングとして提供する。
また、両社はプラットフォームの活用から戦略立案まで継続的な改善を支援する富士通のアドバイザリーサービス「Fujitsu Customer Advisory and Support Excellence」(以下、CASE)と、ServiceNowの包括的な価値を加速するソリューションである「ServiceNow Impact」を組み合わせ、ユーザーがServiceNowプラットフォームを利用する際の価値を最大化する新たなオファリングについても提供を開始する。
ServiceNow Impactのグローバルなサービス展開、ツール、知識から得られた洞察は、CASEのプロフェッショナルサービスを通じてユーザーのServiceNowプラットフォームへシームレスに適用できるようになるという。この新オファリングは2024年後半にグローバルで提供開始予定。
富士通は全世界で約12万4千人の従業員がServiceNowプラットフォームを利活用しているそうだ。さらなる業務の効率化と自動化に取り組み、そこから得られた知見を革新的なオファリング開発へとつなげるとしている。例として、これまでに社内ヘルプデスク業務において富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」やServiceNowの「Now Assist」などの生成AI機能によりオペレーターの対応を分析し、応答内容からQ&A集を自動生成したり、応対履歴の傾向分析からトラブルを予測したりすることで、インシデント件数を約30%削減するといった取り組みを行ったとのことだ。
両者は今後のパートナーシップをより強固なものにし、イノベーションの創出を加速させるため、Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(神奈川県川崎市)に「Fujitsu-ServiceNow Innovation Center」を2024年後半に開設する。この拠点を中心に新たなオファリングに関して協業し、販売からマーケティング施策の実施、デリバリー、相互人材育成を推進し、より高品質なカスタマーサクセスの実現を目指すとしている。