パーソルイノベーションのlotsful Companyは4月25日、企業に勤める管理職を対象に実施した副業実態調査の結果を発表した。調査には660人が参加した。

管理職の副業内容は「自身の専門領域の実務」

管理職に就任してからの副業経験について聞くと、「副業をしたことがある」は42.9%、「副業をしたことがない」は57.1%だった。管理職に就任して以降の副業経験があると回答した人に副業の種類を聞いたところ、「自身の専門領域における実務」(29.3%)、「人材育成・マネジメント」(29.0%)、「業務改善」(28.6%)が上位となった。

  • 管理職が実施した副業の種類(資料:パーソルイノベーション)

    管理職が実施した副業の種類(資料:パーソルイノベーション)

副業を始めた理由は職種により分かれる

副業を開始した理由については、「キャリア機会の拡大」(26.1%)が最多となり、「副業への興味」(24.3%)や「経済的な不安の軽減」(23.9%)といった回答が続いた。所属企業ではできないキャリアを副業によって経験し、自身のキャリアアップにつなげている管理職が多いという。

職種別は、人事やWebデザイナーでは「人脈の拡大」、マーケティングでは「組織外での影響力の拡大」がそれぞれ最多となるなど、職種により副業目的の傾向は分かれるとのことだ。

  • 副業を開始した理由(資料:パーソルイノベーション)

    副業を開始した理由(資料:パーソルイノベーション)

管理職が副業を行わない理由は?

反対に、管理職に就任して以降の副業経験がないとする回答者は、その理由について「副業が禁止されている」(27.8%)を最も多く挙げた。2位は「プライベートの時間を大切にしたい」(23.7%)、3位は「業務負担が重く、副業の余裕がない」(23.2%)となった。

管理職のレイヤー別では、課長クラスは「副業が禁止されている」(32.7%)、部長クラスは「業務負担が重く、副業の余裕がない」(27.5%)、本部長クラスは「本業でのキャリア形成に集中したい」(23.8%)と、副業を行わない理由の最上位がそれぞれ異なったという。

  • 副業を開始しない理由(資料:パーソルイノベーション)

    管理職が副業を開始しない理由(資料:パーソルイノベーション)

副業が本業の課題解決にも

管理職として業務を遂行する上での課題や懸念を聞くと、「人材管理(採用・育成・評価)」(38.7%)、「ワークライフバランスの維持」(32.0%)、「効果的なコミュニケーションと意思疎通」(31.3%)が上位となった。

これに対し、副業をしたことで「課題や懸念の解消につながった」との回答は63.7%、「つながらなかった」との回答は29.2%、「わからない」との回答は7.1%だった。

副業が管理職としての課題や懸念の解消につながったとする回答者は、その具体的な内容について、「人材管理(採用・育成・評価)」(28.8%)、「ワークライフバランスの維持」(27.6%)、3位は「リーダーシップと決断力への自信不足」(22.4%)とそれぞれ回答している。

  • 副業によって解消された課題や懸念(資料:パーソルイノベーション)

    副業によって解消された課題や懸念(資料:パーソルイノベーション)