宇宙利用の重要性が急速に高まり、官民を挙げた宇宙開発が進んでいる中、東京ビッグサイトでは4月24日から26日まで、宇宙ビジネスに関するすべてが集まる展示会「SPEXA -Space Business Expo-」が開催されている。今回が初開催となる同展示会では、ロケットや人工衛星などの設計・開発・製造支援、宇宙空間や衛星データの利活用、さらにその他の宇宙関連サービスなど、さまざまな角度から宇宙ビジネスに携わる企業が出展し、新たな事業の種が生まれる場となっている。
そのSPEXAには、小型衛星の開発・運用および衛星画像サービスを提供するAxelspace(アクセルスペース)も出展。同社が展開する2大ビジネスについて紹介している。
衛星画像活用と衛星開発の両軸に関心が集まっている
2008年に創業したアクセルスペースは、2013年にウェザーニューズの人工衛星「WNISAT-1」を打ち上げて以来、さまざまな人工衛星の打ち上げを実施。3月5日にはアクセルスペースとして10機目となる小型衛星「PYXIS」を打ち上げ、軌道投入に成功したことを発表しており、今後は周回軌道上でのミッションを行う定常運用フェーズへの移行を予定しているという。
同社の柱となるサービスは、「AxelGlobe」と「AxelLiner」の2つ。前者は小型衛星群による地球観測インフラで、複数の衛星を用いて地上を撮像することで、環境保護・防災・農業などさまざまな領域に貢献するとしている。一方のAxelLinerは、超小型衛星のバス部インタフェースの共通化や自動運用システムの提供などにより、衛星開発を加速させるもの。顧客はミッションに関わる部分の開発に集中することができ、最小限の労力での衛星運用が可能になるとする。
アクセルスペースの担当者によると、今回の展示会ではこれまで接点のなかった企業の担当者とも会話する機会が多いといい、新たな顧客獲得につながる可能性を感じているとのこと。また衛星画像サービスのAxelGlobeと衛星開発支援のAxelLinerのどちらにも関心が集まっているという。
アクセルスペースの事業本部長がカンファレンスにも登壇
なお、SPEXA初日の24日には、同社執行役員 Co-CTO兼AxelLiner事業本部長の永島隆氏が、超小型衛星開発のパイオニアである東京大学(東大)大学院 工学系研究科の中須賀真一教授と共にカンファレンスに登壇し、宇宙開発利用の新潮流とビジネスの展望について対談した。
加えて25日には、1月に発生した能登半島地震を事例とした防災分野での衛星利活用についてのカンファレンスに、アクセルスペース 取締役 AxelGlobe事業本部長の深澤達彦氏が登壇するとのこと。防災科学技術研究所の白田裕一郎氏、東大大学院 情報学環の渡邉英徳教授、KDDIの今村元紀氏、SPACETIDEの佐藤将史氏と共に、衛星画像の防災における活用や展望が語られる予定だ。