富士通とMETRONは4月22日、製造業におけるカーボンニュートラルの実現に向けた戦略的提携をこのほど締結したことを発表した。この提携に基づき両社は双方の強みを生かして、これまで難しかった環境改善と生産性向上の両立を支援するエネルギーマネジメントサービス「Energy Consumption Optimization(エネルギー・コンサンプション・オプティマイゼーション)」を共同開発した。同日から日本市場への提供を開始する。
両社が共同開発した「Energy Consumption Optimization」は、富士通が培ったESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンスの頭文字を取ったもの)経営を実現するためのノウハウと、量子インスパイアード技術である「デジタルアニーラ」、およびMETRONの「Energy Management and Optimization System」を組み合わせたものだという。これにより、従来は難しかったエネルギーコスト削減と生産性向上の両立を可能にしている。
具体的には、「Energy Management and Optimization System」によって各種設備の電力情報を可視化し、富士通のデジタルアニーラにより設備の電力使用量や電気料金、生産量や生産にかかる時間など複数のデータを活用して、消費電力やピーク電力、生産効率といったさまざまな指標に基づき高速にシミュレーションを実施する。環境に配慮した最適な生産スケジュールを策定することで、タイムリーな経営判断を支援するとのことだ。
今後両社は「Energy Consumption Optimization 」をドイツでも提供し展開地域を拡大するとともに、GHG(Green House Gas:温室効果ガス)排出量が多い製造工場だけでなく、商業施設やオフィスにおけるエネルギー情報の可視化や電力消費量のエネルギー最適化などユースケースを拡大する方針。