NTT、NTTデータグループ、NTTアドバンステクノロジ、NTTテクノクロス、NTTコムウェア、クニエ、日立製作所、NEC、富士通は3月29日、受託開発ソフトウェア製品のCO2排出量算定について、開発者のCO2排出量削減努力の反映が可能な算定ルールを策定したと発表した。

CO2排出量算定のルール策定の背景

近年、GHGプロトコルのScope3まで含むサプライチェーン全体のCO2排出量算定・削減に向けグリーンな製品が選択されるような市場を作り出していく必要があり、その基盤として製品単位のCO2排出量の算定・開示への関心が高まっている。

しかし、ソフトウェア製品のCO2排出量算定に関しては、開発費用に関する情報を用いた金額ベースの算定以外に標準的な算定方法が確立されておらず、開発者の削減努力が反映されにくいことが課題だったという。

そこで、各社は経済産業省が公募した「令和5年度 GX促進に向けたカーボンフットプリントの製品別算定ルール策定支援事業」に参画し、ソフトウェア製品の算定ルールの検討に取り組んできたという。

CO2排出量算定のルールのポイント

同算定ルールにより、受託開発ソフトウェア製品のCO2排出量について、経済産業省の「カーボンフットプリント ガイドライン」に整合した算定および比較ができるようになる。

今回、CO2排出観点で開発段階のライフサイクル分析を行い、算定対象のプロセス・排出源を定義した。また、開発者が利用する機器・設備が消費した電力と開発対象であるソフトウェア製品とのひもづけの方法を定めた。これらにより、開発者の削減努力を反映した算定が実現された。

さらに、経済産業省の「カーボンフットプリント ガイドライン」で定められたCO2排出量算定における基礎要件に加え、排出量を比較されることが想定される場合の要件を規定している。

特に、グリーンな調達における入札時などの製造前にCO2排出量を算定/開示することを想定し、設計値を用いて算定したCO2排出量の比較を可能にしている。

  • 算定範囲およびプロセスを規定した、受託開発ソフトウェア製品のライフサイクルフロー