Windows 10またはWindows 11でGoogle Chromeを使っている場合、文字がぼやけたり細く描画されることがある。この問題はChromeが使用するレンダリングエンジンがWindowsのClearTypeフォントを完全にサポートしていないことに起因している。Windows Latestは3月25日、「Microsoft is improving Chrome's font rendering on Windows 11, Windows 10」において、Microsoftがこの問題に積極的に取り組んでおり、まもなくリリースされるChrome 124で解消される見込みと伝えた。

Windows上のChromeで文字がぼやける問題

Windowsでは、ClearTypeフォントに対する表示を調整するためのClearType Text Turnerが備わっている。Windowsのネイティブ アプリケーションはテキストのレンダリングに標準APIのDirectWriteを使用するが、DirectWriteはClearType Text Turnerからコントラストやガンマ値などの設定値を取得する。

一方、Chromeは、Webサイトのレンダリングに独自のレンダリングエンジンである「Skia」を使用している。このSkiaはテキストのコントラストとガンマ値にプラットフォームごとに異なるハードコートされた値を使用し、ClearType Text Turnerによる調整された値を使用しない。このことが、Chromeで文字の表示がおかしくなる原因だった。

Microsoftがこの問題を解消する実装をコミット

Windows Latestによれば、Microsoftはこの問題を解消する実装をChromiumプロジェクトに対してコミットしたという。Microsoftのエンジニアが行った修正は、Chrome Statusに対する次の投稿にまとめられている。

  • SkiaのテキストレンダリングにClearType Text Tuenerを利用する修正

    SkiaのテキストレンダリングにClearType Text Tuenerを利用する修正

この修正によって、SkiaはClearType Text Tuenerからコントラストとガンマ値の設定を取得してテキストレンダリングに使用できるようになるという。現在、この機能はChromeのCanaryビルドに導入されており、早ければChrome 124で一般ユーザー向けにリリースされる見込みとなっている。