NECは3月21日、持続的な競争力強化を目指し、4月から全社員を対象としたジョブ型人材マネジメントによる「適時適所適材」の実現や、ダイバーシティの加速に向けた採用計画を決定したことを発表した。
DX人材の強化へ
NECは2025中期経営計画の実現を目指して多様な人材が活躍する企業への転換に注力し、報酬体系の見直しやDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の強化、NECグループ内での人材流動化など、ジョブ型人材マネジメントに向けた変革を進めている。社員と会社の間で相互に選択し合う関係を構築し、変化に柔軟かつ迅速に対応できる人・組織を作り、グローバルな事業成長の実現に向けて取り組むという。
また、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を強化しており、2024年春の労使交渉で労働組合の賃金水準改善要求に対し満額回答したほか、特に大卒初任給は要求を上回る過去最高の約7.2%引き上げて月額28万円とした。これにより、成長を支える優れた人材の獲得競争力を高め、2025中期経営計画の実現に向けた変革に引き続き推進していくとしている。
「部門フリー採用」を導入
NECは、2024年度の新卒採用から内定時に配属部門と職種が確定する「部門×職種別採用」と内定時に職種が確定する「部門フリー採用」から構成するジョブマッチング採用を導入。2025年度の新卒採用では「部門×職種別採用」について約70のジョブディスクリプションを公開し、計画数700名のうち約7割をこの方式で採用する予定だという。
また、職種別や部門別に学生を受け入れる「職場受け入れ型インターンシップ」や長期実践型の「研究インターンシップ」の内容を拡充し、インターンシップの取り組みを強化。2023年度のインターンシップは過去最多の約950名の参加となり、今後もインターンシップの参加者による応募の増加を見据え、2024年度は6月にテーマや実施内容などを公開予定だという。
さらに、キャリア採用では、2019年度にキャリア採用に特化した専門部署を設置し、ダイレクトソーシングの拡大やNEC社員の人脈を活かしたリファーラル採用による人材獲得を促進するとともに、採用から活躍までのサポート体制を強化しているということだ。