パナソニック ホールディングスは2月27日、同社の社員や学生などを対象に生成AI(人工知能)をテーマにしたイベントを開催した。執行役員の松岡陽子氏、テクノロジー本部 デジタル・AI技術センター所長の九津見洋氏が登壇し、「これからのAI」をテーマに意見を交わし合った。
松岡氏「生成AI開発はマネーゲームになっている」
米OpenAI(オープンAI)が対話型AI「Chat(チャット)GPT」をリリースしたことを契機として、世界中で生成AIブームが巻き起こっている。米マイクロソフトや米グーグル、米アマゾン・ウェブ・サービスなどの大手ITベンダーが生成AIの覇権を巡ってしのぎを削っている。
パナソニックは生成AIを積極的に活用している企業の1社だ。2023年4月より「PX-GPT」として、パナソニックグループの国内全社員約9万人を対象に生成AIを活用した業務支援ツールを展開している。
松岡氏は「『生成AIは私たちの仕事を奪う』といった負のイメージは薄くなりつつあり、単なる道具だという認識が広がっている。一方で、生成AIをうまく活用できている企業はほんの一部だ」と述べた。
また九津見氏も「非連続に革新的なAI技術が次々に生み出されている一方で、自社のビジネスに取り込んで、安心安全に提供できている企業は少ない。そういったサービスを構築する時間もツールもまだまだ足りていない。最新の技術をキャッチアップし続けながら、自社にどう落とし込めるかを考え続ける必要がある。今はまだ入口に立った段階だ」と持論を述べた。